2019 Fiscal Year Research-status Report
レプトスピラ症早期診断法の開発-高速・高感度・簡便・高精度を可能にする新技術-
Project/Area Number |
17K08820
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
林 史夫 群馬大学, 研究・産学連携推進機構, 准教授 (60400777)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 修一 東北大学, 工学研究科, 助教 (90580308)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | レプトスピラ |
Outline of Annual Research Achievements |
レプトスピラ症は最近頻発する大雨災害や洪水の後には「最も注意すべき感染症」として注意喚起されている.また,万能なワクチンがなく予防ができず,重症化時の死亡率は20~30%にも及ぶため,早期診断と適切な処置が必要とされている.しかしながら,診断にかかる時間が短く,簡便で,精度よく早期診断ができる診断法がまだ開発されていないのが現状である.本課題では,診断方法のゴールドスタンダード法とは全く異なるアプローチとして,レプトスピラべん毛繊維の高感度検出を達成することで,その問題の解決を狙っている. この検出法で解決すべき問題は2つあり,それぞれに解決を目指した.1つ目はべん毛繊維タンパク質を検出するための抗体取得であり,この目的は達成することができた.2つ目はレプトスピラべん毛繊維の簡便な露出方法の確立である.レプトスピラは菌体が包膜で覆われているため,レプトスピラを特異的に同定するためには,包膜を破壊し,べん毛繊維タンパク質を露出させ,抗原抗体反応が可能な状態にしなければいけない.べん毛繊維タンパク質の単離方法は確立されているが,既存方法で単離できるべん毛繊維量は非常に少なく高感度検出には向かない.申請者らはアルカリ溶液をベースとした薬剤カクテルを複数調整し,処理時間,処理濃度などを細かく検討することで,べん毛繊維の露出に成功した.しかしながら,その量はまだまだ希望する量には及ばず,べん毛繊維の露出条件や調製条件を更に追求する必要がある.また,超音波処理による物理的な包膜の破壊条件も検討したが,望ましい結果に至っていない.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が所属する研究・産学連携推進機構機器分析センターの優秀な技術職員が慶事により長期の休暇を取得したため,技術職員の業務の多くを引き継ぐことになり,当初計画していた研究時間が確保できなかったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
やり残した当初計画を実行に移す.
|
Causes of Carryover |
研究代表者が所属する研究・産学連携推進機構機器分析センターの優秀な技術職員が慶事により長期の休暇を取得したため,技術職員の業務の多くを引き継ぐことになり,当初計画していた研究時間が確保できなかったために次年度使用額が生じた. 試薬・消耗品の購入,顕微鏡観察のスピードアップのための治具作製を計画している.
|