2017 Fiscal Year Research-status Report
グラム陰性菌における新たな外膜小胞産生機構の解明とワクチン応用への理論的基盤構築
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17K08825
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村瀬 一典 宮崎大学, 医学部, 助教 (40710869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
白石 宗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70725168)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外膜小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における今年度の研究実施計画は、1)HlyFによる外膜小胞(OMV)産生誘導メカニズムの解明と、2)OMV産生誘導条件の至適化の2つである。 まず、1)HlyFによるOMV産生誘導メカニズムの解明については、OMVのペプチドグリカン(PG)およびリポ多糖(LPS)の糖鎖について札幌医大の白石宗博士の協力のもと、HlyF産生・非産生株における違いを確認した。その結果、HlyF産生株由来のOMVにおいては、LPSのリピドA部分に関連する特定の糖鎖が有意に検出され、HlyFによる糖鎖構造の変化が起きていることが示唆された。また、RNA-seqによる網羅的な遺伝子発現解析では、HlyF産生・非産生株において複数の遺伝子発現の変動が確認されたが、本解析については、再度データを取得して再現性を取る必要がある。 次に、2)OMV産生誘導条件の至適化については、上記の遺伝子発現解析による結果が不十分なため、次年度に改めて実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は1)HlyFによるOMV産生誘導メカニズムの解明と、2)OMV産生誘導条件の至適化の2つを研究計画として掲げていたが、糖鎖分析やRNA-seqなどのデータに関する検証が遅れたため、2)OMV産生誘導条件の至適化の検討までは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究実施計画に掲げていた2つの項目のうち、一方のみしか達成することができなかった。しかしながら、現在、データの追加により、次年度の上半期内で達成することが可能である。 次年度および以降の研究実施については、研究分担者である相川知宏博士および白石宗博士の両名の協力のもと、当初の計画通り遂行していく。
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Causes of Carryover |
本年度は研究実施計画の一部の解析が未遂行であったため、次年度の上半期に、未遂行分の実施を予定している。
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