2018 Fiscal Year Research-status Report
グラム陰性菌における新たな外膜小胞産生機構の解明とワクチン応用への理論的基盤構築
Project/Area Number |
17K08825
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村瀬 一典 宮崎大学, 医学部, 助教 (40710869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
白石 宗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70725168)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宿主細胞の免疫応答 / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グラム陰性菌における外膜小胞(OMV)の産生機構の解明とワクチン応用への理論的基盤の構築を目的とする。本年度の研究計画は、1) OMVに対する宿主細胞の免疫応答の解明, 2) OMVを介した細菌由来分子の宿主細胞への取り込み経路の解明、の2項目である。 1) OMVに対する宿主細胞の免疫応答の解明 HlyF産生・非産生株から回収・精製したOMVについて、腸管上皮由来のCaco-2細胞を用いた添加実験を実施した。その結果、HlyF産生株由来のOMVを添加した細胞は、24時間後、細胞内に空胞の形成が確認され、その後、細胞は死滅に至った。さらに、添加前、添加後30分、1時間、2時間後における各種炎症性サイトカイン(IL-6、IL-8、IL-18、IL-1β、TNFα、INF-γなど)についてリアルタイムPCRによる遺伝子発現の動態解析を行った結果、添加前に比べ、大きな発現変動は確認されなかった。そのため、添加後に測定するタイムポイントを増やし(4時間、8時間、12時間)、再度、免疫応答に関する検証を行う。 2) OMVを介した細菌由来分子の宿主細胞への取り込み経路の解明 OMVはエンドサイトーシスによって宿主細胞内に取り込まれると推定されている。そこで、まずはOMVに内包されることが確認されているHlyEについて、そのC末端側に緑色蛍光タンパクGFPを付加したHlyE-GFP融合タンパク質産生株を作成を試みた。しかしながら、HlyF-GFP融合タンパク質産生株の作成まで至らず、現在、別の蛍光タンパクを用いて、融合遺伝子作成を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に実施予定であった「OMVを介した細菌由来分子の宿主細胞への取り込み経路の解明」について、本実験に使用するHlyF-GFP融合タンパク質産生株の作成まで至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の研究推進については、研究分担者である相川知宏博士と実施状況の確認を踏まえ、逐次、相談・検討しながら当初の研究計画に沿って遂行していく。 平成30年度に予定していた「OMVを介した細菌由来分子の宿主細胞への取り込み経路の解明」については、HlyF-GFP融合タンパク質産生株の作成まで至らなかったため、現在、別の蛍光タンパクを用いて、融合遺伝子作成を試みている。
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Causes of Carryover |
本年度は研究実施計画の一部の解析が未遂行であったため、次年度の上半期に、未遂行分の実施を予定している。
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