2017 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルスに対する万能抗体誘導B細胞の誘導・維持機構の解明
Project/Area Number |
17K08856
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新中須 亮 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (00451758)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 感染防御・制御 / 免疫 / B細胞 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では主にA型インフルエンザウイルスX31株(H3N2)の感染系を用いて解析を始めたが、今後の研究の発展性なども考えA型インフルエンザウイルスNarita株(H1N1 パンデミック株)の感染系に変更を行った。 平成29年度は、Narita株 HAのHead部位に対するBCRを有するGC B 細胞と、Stem部位に対するBCR(万能抗体)を有するGC B 細胞を、新たに作製し直したプローブを用いて分離し、それらの細胞についてエピトープ同定によるプローブ分離の妥当性の検討と、さらに、その後、Head部位、Stem部位特異的BCRのレパトア特徴解析を以下の3つの方法を用いて行った。 A. プローブ検定が妥当であるか検定のため、それぞれ(Head部位,Stem部位)の分画からシングルメモリーB細胞を単離し、BCR H, L鎖を培養細胞で発現できるベクターに組み込み、BCRを人工抗体として発現させた。それらの抗体が抗原であるHAのH部位、部位にエピトープを有するかどうかELISA法を用いて検定を行い、その結果、85%以上の回収細胞がHA 抗原特異的BCRを有していることが確認できた。 B. A.で得られた細胞群についてH鎖、L鎖のシングルセルPCRを行い数百細胞レベルのBCR配列情報を既に得ている。現在は得られたレパトア情報の特にClonal Diversity、Clonal Genealogyの特徴についてを比較検討を行っている。 C. A.方法で誘導した抗体についてELISA法を用いてそれぞれのCloneの持つ抗原親和性を測定できる系の立ち上げに成功した。現在は、同一個体から回収したH部位,S部位特異的メモリー細胞、GC細胞について人工抗体作製を迅速に進めており、GCから誘導されてくるメモリー細胞に抗原親和性の観点から特徴があるか検証中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画から使用するウイルス株の変更など多少あるが、基本的な方針の変更もなく順調に進んでいると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に予定していた研究のデータ処理など一部が少しだけずれ込んでしまっているが、特に平成30年度に計画している実験への支障はないと思われる。 平成30年度に計画している研究については現在のところ計画通り行う予定である。
|
Research Products
(2 results)