2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method to induce apoptosis by HIV locked in a cell
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17K08861
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤田 美歌子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任教授 (00322256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 雅巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 客員教授 (40126008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エイズ完治 / HIV / 潜伏感染細胞 / イノシトールリン脂質 / アポトーシス / 誘導体 / X線結晶解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のエイズ治療の最大の目標は、エイズの原因ウイルスが潜むHIV潜伏感染細胞の感染者体内からの除去、すなわち根治である。これまでに藤田らは、HIV放出抑制活性を持つ非天然型イノシトールリン脂質L-HIPPOを創り、この化合物が細胞にHIV蛋白質を蓄積して細胞死を誘導することを見出した。この現象を“lock-in and apoptosis”法と名付けた。これを発展させれば、エイズ根治が可能となる。本研究では、この方法の改良に取り組み以下の成果を得た。 (1)この現象は当初、子宮頸癌細胞株HeLa細胞で見出された。HIV潜伏感染細胞は主にT細胞であると言われるが、T細胞由来のJurkat細胞でもこの現象が見られることを示した。 (2)L-HIPPO は多くの負電荷を持つため、細胞膜を透過しづらい。そこでT細胞に効率良く入るL-HIPPOの誘導体を合成することにした(この誘導体は、細胞内でL-HIPPOを発生する)。予備実験も兼ねて、L-HIPPOの部分構造であるIP6の誘導体Pro-IP6の合成を行った。Pro-IP6が細胞内でIP6を発生することや抗癌効果を持つことを証明し、論文として出版した。これらを踏まえて現在L-HIPPO誘導体の合成を行っており、最終段階で精製中である。 (3)L-HIPPOの構造改変において、HIV GagのMAドメインへの結合様式が知りたい。MA蛋白質の大腸菌からの発現、精製を検討し、高濃度の蛋白質を得た。次にMAとL-HIPPO複合体のX線結晶解析を行うために結晶化を試みたが、解析可能な結晶は得られていない。一方、L-HIPPOの部分構造であるIP6とMAのX線結晶解析には成功した。MA-IP6のXFEL解析も行い、回析データのみは既に論文として出版した。 今後も本研究を発展させたい。本概念は新しく、様々な抗ウイルス戦略にも応用できる。
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[Journal Article] Anti-cancer activity of the cell membrane-permeable phytic acid prodrug.2019
Author(s)
Masunaga, T., Murao, N., Tateishi, H., Koga, R., Ohsugi, T., Otsuka, M., and Fujita, M.
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Journal Title
Bioorgamic Chemistry
Volume: 92
Pages: 103240
DOI
Peer Reviewed
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