2017 Fiscal Year Research-status Report
高親和性プラズマ細胞の選択および生存維持を担う分子機構の解析
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17K08883
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊勢 渉 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (70323483)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プラズマ細胞 / 抗体 / 胚中心 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは胚中心(GC)B細胞の一部がBcl6lo IRF4hiであることを見出していた。この細胞がプラズマ細胞の前駆細胞であるという仮説をたて解析を行った。平成29年度は以下のことを明らかにした。 (A)Bcl6loIRF4hi GC B細胞のマーカーの同定:Bcl6loIRF4hi GC B細胞は細胞表面にCD69を高発現することを見出した。以降の解析ではBcl6loCD69hi細胞=Bcl6loIRF4hi細胞とした。 (B)GC-B細胞のBCR repertoire解析:抗原特異的GC-B細胞サブセットとプラズマ細胞のBCR repertoireを比較検討し、Bcl6loCD69hi細胞のBCR repertoireがプラズマ細胞のそれに最も近いことを明らかにした。 (C)遺伝子発現解析:GC-B細胞サブセットとプラズマ細胞の網羅的遺伝子発現解析を行い、Bcl6loCD69hi細胞はGC-B細胞のidentityを失いつつあること、またプラズマ細胞と似た遺伝子発現パターンを示すことを明らかにした。 (D)プラズマ細胞の前駆細胞を誘導するシグナルの解析:Bcl6loCD69hi細胞がどのようなシグナルで誘導されるかを解析し、強いCD40シグナルが必要であること、IRF4が必須であること、STAT3シグナルは必要ないことを明らかとした。またTfh細胞との持続的な相互作用が必要であることも見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題申請時に計画した研究課題は予定通りに遂行することができ、順調に成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も予定通りに研究を推進する予定である。特に申請者らのグループが独自に樹立したG-B細胞fate mappingシステム(S1pr2-ERT2cre Tg x ROSA-Stop-tdTomatoマウス)を駆使して、GC由来高親和性プラズマ細胞の分子細胞学的特性を明らかにしていく予定である。以下、計画の概略である。 (A)GCからのプラズマ細胞産生解析:免疫後どの時期のGCから効率よくプラズマ細胞が産生されるかは不明である。そこで抗原の免疫により誘導されたGCからプラズマ細胞が産生されるkinetcisおよび骨髄にGC由来プラズマ細胞が出現するkineticsを調べる。 (B)GC由来プラズマ細胞の遺伝子発現解析:抗原の免疫により誘導されたプラズマ細胞をGC非依存性に分化したものとGCを経由して分化したものに分け、それぞれをの網羅的遺伝子発現解析を行う。そしてGC依存性プラズマ細胞のマーカーとなりうる分子の探索を行う。
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