2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of AIRE-dependent gene-expression network which controls the differentiation of mTECs
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17K08885
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西嶋 仁 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 助教 (60425410)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Aire / mTEC / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
胸腺髄質上皮細胞(mTEC)においてAireの発現を高めるために用いた手法として、新たに内在性Aireプロモーター制御下にポリシストロニックな発現を可能とするP2A配列を利用して、付加的にマウスAireを発現するノックインマウス(3xAire)を樹立して解析した。Aireの発現はRNA、蛋白質レベルで期待通り発現上昇していた。胸腺におけるT細胞はCD4、CD8ともに発達していたが、Qa2抗原の発現が高く、T細部の成熟には異常を認めた。この結果はAireノックアウトマウスではQa2発現が低下することと相対している。さらに、OT-2トランスジェニックマウスを用いて「負の選択」を検討したところ、3xAireでは用量依存的に負の選択が障害されており、その程度は雌で顕著であった。また、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は「負の選択」障害を認めた3xAire雌で病態が悪化していた。これらの結果はAire発現を高めた効果として、予想に反してAire-KOで観察される「負の選択」障害と同方向に作用していることである。3xAireノックインマウスとAireノックアウトマウスのmTECの遺伝子発現をRNA-seqで網羅的に解析し、Aire発現消失時に発現変動する遺伝子群とAire発現上昇時に発現変動する遺伝子群を4つのカテゴリーに分類した。各カテゴリーから代表的な遺伝子のプロモーター領域について、ルシフェラーゼを用いた遺伝子発現の動態解析を行い、Aireの各プロモーター領域への効果を検討した。 一方、human AIRE発現がNODマウスの糖尿病発症に抑制的に機能している知見に関しては、AIRE発現マウスの膵リンパ節ではcDC1の減少を認めた結果より、樹状細胞の膵臓抗原の提示機能が低下した結果、糖尿病発症に抵抗性を獲得したと結論づけて論文として発表した。
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Research Products
(4 results)