2017 Fiscal Year Research-status Report
B細胞発現STAT3分子が調節するIgE産生制御環境形成メカニズムの解明
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17K08886
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西川 裕美子 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 助教 (60448214)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高IgE症候群 / 抗体産生制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
「Stat3 変異による高IgE 血症誘導の根本的な原因はB 細胞の異常による」との仮説に至った。本研究では、この仮説に基づき、B 細胞で発現するSTAT3 分子がIgE 抗体産生の制御機構にどのように寄与するのかを明らかにすることを目的とした。平成29年度は 1)「T 細胞依存性抗原応答時のIgE 産生制御機構 とStat3 変異による破綻メカニズムの解明」特に Stat3 変異によって影響を受ける胚中心応答の詳細な解析 2)「Stat3 DNマウスの胚中心における高IgE産生環境を再現できる培養系の構築」 を主に実施する計画を立てていた。1)実験モデルマウスを用いた詳細な解析の結果、Stat3 ドミナントネガティブ変異マウスでは、現在他のグループによって明らかにされているIgE産生細胞調節機構とは異なる経路でIgE産生細胞の出現が亢進していることを示唆するデータを得た。加えて、2)では、ヒトやマウス由来のStat3 変異B細胞のin vitroの培養でIgE産生細胞の出現が野生型に比較して亢進することが再現できた例はない。本年度はStat3 変異B細胞を刺激することによりIgE産生細胞の出現が亢進する培養系を構築することに成功し、そのメカニズムがどのようなものであるかを示唆するデータを得ることができた。現在、どのような生理活性物質によってこれが誘導されているのかを明らかにするための解析系を構築中である。また、ここで得られた現象が実際にin vivoにおいて誘導されているかを確認する実験も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度、30年度に予定していた培養系の構築に成功した。また、ここで得た結果は、免疫動物を用いたin vivoの結果を説明できる現象であることから、胚中心応答のどのステージを詳細に解析すればよいかが明らかになった。今後の研究方針が定まり、順調に研究が進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果から、これまで考えられている仮説とは異なるIgE産生制御機構が関与していることが示唆された。これを踏まえて、免疫動物を用いたin vivoでの解析と、生理活性物質の同定について解析を進めていきたいと考えている。また、平成29~30年度に計画している自然飼育下で産生されるIgE 抗体の特異性の評価と誘導メカニズムの解明にも着手していきたい。
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Causes of Carryover |
3月に納品があった物品1点が4月支払いになったため。
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