2017 Fiscal Year Research-status Report
炎症シグナルTRAF6とその標的分子CCL20, SLPIが制御する腸炎の解明
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17K08889
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小林 隆志 大分大学, 医学部, 教授 (30380520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 礼子 大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
神山 長慶 大分大学, 医学部, 助教 (50756830)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TRAF6 / CCL20 / SLPI / 腸炎 / Th17細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、炎症性腸疾患(IBD)の病態に重要な役割を果たすシグナル伝達分子TRAF6に着目し、そのT細胞および腸管上皮細胞での役割を明らかにすることを目的とする。まず、T細胞内のTRAF6がTh17細胞の腸管への遊走能に与える影響を明らかにする。次に、腸上皮細胞株を用いた予備実験でTRAF6シグナル依存的に発現が誘導されたケモカインCCL20, 抗菌ペプチドSLPIの発現を腸上皮特異的TRAF6欠損マウスを用いた動物実験で検証する。さらに、CCL20, SLPIの機能を遺伝子欠損マウスで検証する。 T細胞でのTRAF6の役割を明らかにするため、T細胞特的TRAF6欠損マウスを用いて解析し、ケモカイン受容体であるCCR6の発現レベルがTh17細胞上で著しく低下していることを見出した。同様の結果をTRAF6欠損T細胞株でも確認した。さらに、レポーターアッセイによりCCR6プロモターがTRAF6シグナルによって活性化することも見出した。CCR6は腸管で強く発現するケモカインCCL20の受容体であることから、腸内でのT細胞局在に影響することが示唆される。次年度ではこれを明らかにする。 また、腸上皮特異的TRAF6欠損マウスを作製するためのCreドライバーマウスを理研バイオリソースセンターより導入したが、Creの発現が腸管以外でも観察され、特異性に問題があることが明らかとなった。そこで、Jackson LaboratoryのVil1-Creマウスを導入し、TRAF6 floxマウスとの掛け合わせを行なった。また、SLPI欠損マウスを研究協力者より分与いただき、ノックアウトマウスの掛け合わせを進めた。さらに、CRISPR/Cas9システムを用いてCCL20欠損マウス、CCR6欠損マウスを独自に作製し、変異マウスを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では、以下の進捗があり、おおむね順調に進展していると判断した。 T細胞でのTRAF6の役割を明らかにするため、T細胞特的TRAF6欠損マウスを用いて解析し、ケモカイン受容体であるCCR6の発現レベルがTh17細胞上で著しく低下していることを見出した。同様の結果をTRAF6欠損T細胞株でも確認した。さらに、レポーターアッセイによりCCR6プロモターがTRAF6シグナルによって活性化することも見出した。CCR6は腸管で強く発現するケモカインCCL20の受容体であることから、腸内でのT細胞局在に影響することが示唆された。 また、腸上皮特異的TRAF6欠損マウスを作製するためのCreドライバーマウスを理研バイオリソースセンターより導入したが、Creの発現が腸管以外でも観察され、特異性に問題があることが明らかとなった。そこで、Jackson LaboratoryのVil1-Creマウスを導入し、TRAF6 floxマウスとの掛け合わせを行なった。また、SLPI欠損マウスを研究協力者より分与いただき、ノックアウトマウスの掛け合わせを進めた。さらに、CRISPR/Cas9システムを用いてCCL20欠損マウス、CCR6欠損マウスを独自に作製し変異マウスを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、T細胞特的TRAF6欠損マウス、腸上皮特異的TRAF6欠損マウス、CCL20欠損マウスおよびCCR6欠損マウスの腸管内におけるT細胞の局在を解析する。特に、これまでCCL20欠損マウスの免疫細胞に関する報告はなく、このマウスについては全身性の表現型を解析する。また、腸上皮特異的TRAF6欠損マウスを用いて腸管におけるCCL20およびSLPIの発現レベルを解析し、生理的にTRAF6がこれらの分子の誘導を担うのか明らかにする。さらに、上記変異マウスにDSS腸炎、TNBS腸炎を誘導し、臨床的指標(経日的な体重の変化、下痢・血便の程度、大腸の長さの変化)を数値化する。この解析により、各分子が腸管炎症に防御的に機能するか生体レベルで検証する。
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Causes of Carryover |
CRISPR/Cas9システムを用いたCCR6、CCL20欠損マウスの作製が当初の計画より順調に進んだ結果、マウス作製費を削減することができた。当該助成金は請求した助成金と合わせ、主に消耗品および実験動物飼育管理費等として次年度に使用する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Ribavirin inhibits Zika virus (ZIKV) replication inハvitro and suppresses viremia in ZIKV- infected STAT1-deficient mice.2017
Author(s)
Kamiyama N, Soma R, Hidano S, Watanabe K, Umekita H, Fukuda C, Noguchi K, Gendo Y, Ozaki T, Sonoda A, Sachi N, Runtuwene LR, Miura Y, Matsubara E, Tajima S, Takasaki T, Eshita Y, Kobayashi T.
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Journal Title
Antiviral Res.
Volume: 146
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] T細胞特異的TRAF6欠損マウスは実験的自己免疫性脳脊髄炎の発症が抑制される2018
Author(s)
Naganori Kamiyama, Benjawan Saechu, Shinya Hidano, Kei Watanabe, Hidekazu Matsuoka, Kaori Noguchi, Yoshiko Gendo, Takashi Ozaki, Akira Sonoda, Nozomi Sachi, Yuki Eshita, Takashi Kobayashi
Organizer
第4回病因研究会別府シンポジウム
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[Presentation] 新規脂質メディエーターのOEA及びPEAは、Toll様受容体9(TLR9)刺激による樹状細胞とB細胞の活性化を抑制する2017
Author(s)
尾崎貴士, 後藤 亮, 園田光, 広瀬 晴奈, 玄同淑子, 野口香緒里, 神山長慶, 飛彈野真也, 石井宏治, 柴田洋孝, 小林 隆志
Organizer
第8回 癌・炎症と抗酸化研究会(CIA研究会)
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[Presentation] Ribavirin inhibits Zika virus (ZIKV) replication in vitro and suppresses viremia in ZIKV-infected STAT1-deficient mice2017
Author(s)
Naganori Kamiyama, Ryusuke Soma, Shinya Hidano, Benjawan Saechue, Nozomi Sachi, Kaori Noguchi, Takashi Ozaki, Akira Sonoda, Yoshiko Gendo, Yuki Eshita, and Takashi Kobayashi,
Organizer
2017年度生命科学系学会合同年次大会(日本分子生物学会)
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[Presentation] Inhibition of TLR9-induced dendritic cell activation and pro-inflammatory cytokine production by Oleoylethanolamide, whose level is reduced in MRL/lpr mice2017
Author(s)
尾崎貴士, 園田光, 玄同淑子, 野口香緒里, 佐知望美, 神山長慶, 飛彈野真也, 石井宏治, 柴田洋孝, 小林隆志
Organizer
2017年度生命科学系学会合同年次大会(日本分子生物学会)
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