2018 Fiscal Year Research-status Report
死細胞DNA分解システムの全容と、cfDNA生成メカニズムの解明
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17K08891
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
水田 龍信 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (50297628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | cfDNA / DNaseγ / DNase1L3 / ネクローシス / アポトーシス / CAD / liquid biopsy / DNaseⅠ |
Outline of Annual Research Achievements |
血液中には微量ながら分解を免れたDNA すなわちcell-free DNA(cfDNA)が存在し、疾患との関係が近年注目されている。特に腫瘍由来の循環血液中DNA(ctDNA)は癌の診断や、予後判定などに有効な、いわゆるリキッドバイオプシーのターゲットとして関心を集めている。しかしながら、cfDNAの生成のメカニズ関しては不明な点が多い。cfDNAは死細胞由来と考えられているが、それがアポトーシスなのかネクローシスなのか、またどのようなDNA切断酵素(DNase)が関与しているのかに関しては、情報が乏しいのが現状である。in vivoの細胞死誘導モデルとして、アセトアミノフェンによる薬剤性肝障害モデルと抗FAS抗体による肝細胞死があり、前者がネクローシス、後者がアポトーシス誘導モデルとして有名である。またDNaseγ(別名DNase1L3)はネクローシス、CADはアポトーシスの際のDNA切断酵素として知られている。そこで、30年度には上記遺伝子欠損マウスに細胞死を誘導し、cfDNA の産生を検討した。その結果、ネクローシスの場合はDNaseγが、アポトーシスの場合はCADとDNaseγの両方がcfDNAの生成には必須であることが明らかになった。この発見は、cfDNAの生化学の基盤となる発見であり、酵素の特異性をふまえたcfDNAの評価ならびに精製プロトコールの作製に寄与するものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた3重遺伝子欠損マウスの作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
3重遺伝子欠損マウスの作成は遅れているが、当初の主要な目的であるcfDNA生成メカニズムの解明に関しては、順調に進んでいるので、できるだけ早く論文発表する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた3重遺伝子欠損マウスの作成が遅れたことが理由であるが、次年度支出の予定である。
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