2019 Fiscal Year Research-status Report
臨床倫理コンサルテーション普及のための課題解決の確立
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17K08906
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧本 禎之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (00396699)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨床倫理 / 臨床倫理コンサルテーション / スーパーバイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに終了した、各医療機関における臨床倫理委員会および臨床倫理コンサルテーション活動を支援するための遠隔スーパーバイズのシステムを立ち上げるための介入検証のデータの解析、および半年後の行動変容についての調査を行なった。
介入検証は、14施設がエントリーし、グループ(委員会)での参加が8施設、個人での登録が6施設であった。最終的に、遠隔スーパーバイズ総利用件数は19件、うちメール10件、ネット会議システム9件の利用となった。各参加者には、利用前後にアンケート調査に解答してもらうこととし、スーパーバイザーはルーブリックによる評価を行ない、主観と客観的な面から、支援の効果を評価した。使用後のアンケート調査では、有効性・使い易いさ、理解し易さ・納得度・問題点の把握を5段階で評価回答してもらったが、メールとZoomのそれぞれの平均値は有効性:(4.8, 5)、使い易さ:(4.8, 4.8)、理解し易さ(5, 4.9)、納得度(4.8, 5)、問題点の把握(4.8, 4.9)と総じて主観的評価は高く、ツールによって差は認められなかった。客観的評価である、スーパーバイズを受けてのリフレクションの理解度と行動介入の評価ではメールとZoomの平均点数はそれぞれ、理解度:3.8, 4.3、行動介入:3.9, 4.3とZoomを用いた方が効果が高い傾向が認められた。半年後の行動変容に関しhては、14施設中8施設のみの回答であった。問題への気づきや、対応の迅速性、広範囲の情報収集、積極性などが、スーパーバイズを受ける前よりも改善していることが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔スーパーバイズに関しては、効果検証が進んでおり、今後恒常的なサービスの構築を検討している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
遠隔スーパーバイズの介入を論文化するとと共に、スーパーバイズサービスの構築を進めていく。また、倫理コンサル時に使用できるような資料作成のための意識調査を行う。
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Causes of Carryover |
調査会社を使用した調査計画が遅れているのと、国際学会発表を取りやめたため
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