2019 Fiscal Year Annual Research Report
research on effectiveness of non-verbal communication evaluated by the use of artificial intelligence
Project/Area Number |
17K08913
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹村 洋典 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00335142)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療面接 / 非言語コミュニケーション / 患者満足度 / 抑うつ / 不安 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コンピュータを用いて表情分析や音声分析を実施し、表情や音声などの非言語コミュニケーションと患者の抑うつ状態、不安度、診察に対する満足度などとの関連を見ることであった。また、患者の診療の満足度を高める医師の非言語的な因子(向き、姿勢、視線、笑顔、その他)を明らかにすることももう一つの目的である。 今年度はゼミ学生7人がデータ収集にあたり、500の医療面接の動画撮影、および、抑うつ度、不安度、患者満足度のアンケート調査を終えることができた。日立製作所とNECによって、表情分析や音声分析の開発に取り組んでくれた。 これにより、表情については、笑顔を見せている回数、視線、医師を見ている時間の長さと不安の強さに関連が見られた。また、口角の動きの激しさと不安や悲しみの強さに関連があった。一方、からだの動きとしては、激しい手の動きと不安/悲しみの関連、また患部を触らないという行為にも不安/悲しみと関連があることが分かった。 ただし、表情についてはさらにほかの特徴量が存在している可能性があり、また、音声についても、周波数分析による特徴量のすべてを解析できなかった。また、年度末は新型コロナ対策に時間をとられ、解析の時間が十分ではなかった。 ここまでの研究でも、非言語的に画像のみで感情をある程度推測できることがわかり、重要であると考える。診療の際の患者の精神状態のみならず、小中学生の自殺の予防など、様々な分野で応用できると考えられ、意義が非常に大きいと考えられる。今後は、さらに多くの表情の特徴量、そして音声の特徴量を使用して解析し、より精度が高く感情を明らかにできるエンジンを開発したい。
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