2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K08932
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山崎 由花 東京医科大学, 医学部, 講師 (80579293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 教授 (30246285)
山口 佳子 東京医科大学, 医学部, 助教 (30617634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国人患者 / 通訳 / 医療満足感 / 言葉の壁 / 医療機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
[質問票の作成]外国人患者に配布する質問票を日本語、英語、中国語、韓国語の4言語で作成した。手順は、1)先行研究を参考に日本語質問票の草案を作成した。2)草案を元に、2名の臨床現場の医師と日本在住の中国人2名そして、研究代表者の山崎で、臨床現場において不適切な質問または追加すべき質問、そして、それぞれの国の文化背景を考慮して不適切な質問や追加すべき質問について議論し、日本語版の質問票を作成した。3)日本語版の質問票を英語、中国語、韓国語に翻訳した。4)作成した4カ国語の質問票を使い、日本在住のアメリカ人3名、中国人2名、韓国人4名を対象に予備調査を実施した。予備調査では、言語的に問題がある部分や日本語との相違点、文化的に不適切な質問を指摘してもらい質問票を完成させた。5)英語、中国語、韓国語版の質問票について、それぞれの言語から日本語に翻訳する逆翻訳を実施し、4カ国語の質問票に意味の相違がないようにした。6)患者の担当医、医療全体、そして同伴した通訳に関する満足感に関しては、Visual Analogue Scales(VAS)とProfiles of Mood States(POMS)で評価するため、VASについては10段階の評価スケールを質問票の中に作成し、POMSについては米国のMulti-Health Systems Inc. (MHS)から日本語、英語、中国語、韓国語の質問票を購入した。 [倫理委員会の承認]完成された4カ国語の質問票とPOMSを倫理委員会に提出し、倫理委員会で調査実行の承認を受けた。 [対象者のリクルート]東京医科大学病院の総合診療科の外来で作成した質問票を使い、配布書留質問票調査を2018年3月から開始した。これまでのところ、中国人患者とその通訳の1ペアのみリクルートできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年3月から対象者(日本語が不自由で通訳を同伴した外国人患者)のリクルートを東京医科大学病院の総合診療科の外来で開始したが、1ペアしかリクルートできなかった。本研究はリクルートが計画通りに進まないという問題を抱える。以下にリクルートを障害すると考えられる理由を明記する。
1)外国人患者は毎日来院してはいるが、多くが1人で来院している。つまり、彼らは日本語のサポートを必要としていない。その理由は新宿という土地柄、外国人患者は日本に居住している韓国人や中国人で日本語に慣れており通訳を必要としていない。 2)大学病院を受診する患者は、一般的に、学歴や社会的地位が高い傾向にあり、日本語を片言でも話せる傾向や、また、日本語が話せなくても、国籍問わず英語が話せ、医師や医療スタッフとコミュニケーションがとれる可能性がある。 3)東京という場所が本調査に適していない可能性もある。つまり、東京は物価や家賃が高いことから、東京に居住する外国人も比較的、社会的背景の良い、つまり、教育レベルや収入の高い傾向にある可能性がある。よって、言語的なハンディを負う外国人が少ないことも考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語が不自由な外国人と通訳のペアをリクルートするために取るべく方針について明記する。 1)現状では、東京医科大学病院の総合診療科の外来のみで対象者のリクルートをしている。より多くの調査協力者を得るために、全科の外来でリクルートを行う。また、入院の患者も対象に入れるか検討する。 2)大学病院以外でのリクルートも考慮する。大学病院と地域のクリニックでは外国人患者の属性も異なることが考えられ、外国人が比較的多く住む地域での医療機関における外国人患者の受診状況、言語的な問題の有無について調査する。 3)東京都以外の場所でのリクルートも考慮する。日本の工業都市では多くの外国人労働者が働いている。そのような地域の方が言語的サポートを必要とする外国人患者が多い可能性もある。よって、主要な工業都市での外国人患者の受診状況と言語的な問題について調査をする。
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Causes of Carryover |
調査対象者のリクルートが計画通りに進まず、謝金で支払うクオカードなどが使用できなかった。適切な数の対象者を確保するため、東京都以外の地域や、大学病院以外の医療機関の外国人患者受診状況などを現地で調査する予定である。その旅費などに前年度使用できなかった研究費を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)