2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K08932
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山崎 由花 東京医科大学, 医学部, 講師 (80579293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 教授 (30246285)
山口 佳子 東京医科大学, 医学部, 助教 (30617634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国人患者 / 移民 / 通訳 / 言葉の壁 / 医療機関 / 健康 / 医療満足感 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)主テーマ『通訳の属性が外国人患者の医療満足感に与える影響』 2018年3月から、東京医科大学病院の総合診療科外来で、日本語が不自由な外国人患者と通訳のペアを対象に質問票調査を開始した。2019年4月の時点で、10ペアがリクルートできた。しかし、1名は19歳と対象者の適格基準を満たさず除外した。現在の調査協力者数は、研究計画段階での目標人数(250人)には、はるかに及ばず、東京医科大学病院の全科外来でも協力者をリクルートする必要があると判断した。よって、倫理委員会の承諾を経て、全科の外来と入院患者も含めリクルートを開始した。さらに、2018年10月に札幌で行われた、第9回国際観光医療学会で当研究の途中経過を発表した際、参加者に対象者のリクルート協力を申し出た結果、愛知県の医療法人偕行会と他施設共同で当調査を進めるはこびとなった。偕行会の意向で、通訳の属性として、通訳訓練と医療知識の有無、そして医療機関での通訳回数についての質問項目を追加した。倫理委員会の承認を得て、2019年5月から医療法人偕行会で調査を開始する。
2)副テーマ『日本人移民1世がハワイで経験した健康に関わる問題』 明治時代、プランテーションでの労働者としてハワイに渡った日本人が現地で直面した健康問題について、Literature Reviewを行っている。現在の日本は、労働人口の減少から外国人の労働力に頼らざるを得ない。そして、外国人労働者は時として、劣悪な生活環境を強いられる。今後は、国家として外国人労働者の健康問題を考える必要がある。ここで、現在の日本人に忘れてほしくないのは、外国人労働者は特別な存在ではなく、我々日本人もかつては世界で肉体労働者として働いた歴史である。現代の日本人の異文化や異質なものへの抵抗を緩和するために本研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東京医科大学の総合診療科外来の患者のみを対象では予定通りリクルートが進まなかったため、偕行会の共同で対象者をリクルートすることになった。しかし、倫理委員会の審査を承諾を得る必要があり、実際の調査開始まで時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)主テーマ:偕行会と共同で対象者をリクルートしていく。通訳の属性や通訳訓練、そして、医療知識の有無が患者の医療満足感に影響を与えるのか、交絡要因を調整しながら探索する。また、東京都と愛知県で、外国人患者の属性がいかに異なるか報告する。さらに、通訳の属性が、医師の満足感にも関与するのか調べていきたい。
2)副テーマ:Literature Reviewを継続させ、日系1世がハワイで経験した健康問題についてまとめる。さらに、必要に応じて日系二世のアメリカ人を対象にインタビュー調査を行い、1世が直面した健康問題をより明確にしていく。
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Causes of Carryover |
主な理由は、調査協力者のリクルートが計画通りに進まなかったため、協力者に支払う謝礼のクオカードなども購入する必要がなく、さらに、データが少なく、入力にかかる支出もなく、研究結果を国際学会で発表する段階には至らなかったためである。次年度は、偕行会と共同の研究を開始したため、愛知県に定期的に出向き、患者のリクルートや、研究に関する会議を行う予定である。さらに、本研究結果に基づく、医療者そして、医療通訳向けの勉強会を東京と愛知で行う予定で、その経費に前年度使用できなかった研究費をあてる。さらに、必要な人数の対象者を確保できれば、データを分析し、結果を論文としてまとめ発表する。論文作成や掲載料にかかる経費としても本助成金はあてられる。
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Research Products
(1 results)