2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K08932
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山崎 由花 東京医科大学, 医学部, 講師 (80579293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 教授 (30246285)
山口 佳子 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (30617634)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 外国人患者 / 医療通訳 / 医療満足感 / 言葉の壁 / 医療機関 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)主テーマ『通訳の属性が外国人患者の医療満足感に与える影響』 2018年3月から、東京医科大学病院で日本語が不自由な外国人患者と通訳者のペアを対象に配布留め置き質問票調査を開始したが、2019年4月の時点で8ペアしかリクルートできなかった。よって、愛知県の医療法人偕行会の協力を得て同年5月から12月末まで共同でリクルートを実施した。その結果、108ペア(東京医科大学病院9ペア、医療法人偕行会99ペア)がリクルートできた。協力者の外国人患者のうち55名が日本居住者、53名が旅行者、96名が中国人であった。さらに、通訳者については80名が医療通訳者で、61名の母国語が日本語、64名の国籍が日本であった。単変量解析の結果、通訳者の母国語が日本語である時、患者は医療全体に満足する傾向をみとめ、医療通訳者である時、患者は通訳者に満足する傾向をみとめた。しかし、通訳者が日本人の時よりも、患者と同じ国籍や同じ母国語の時の方が患者の気分は良かった。
2)副テーマ『日本人移民1世がハワイで経験した健康に関わる問題』 近年、日本で増加する外国人労働者への差別や健康問題に対して、現代の日本人の関心をひくため、約150年前、ハワイに渡った日本人の健康問題について、Literature Reviewを3名の研究者で行った。"Hawaii", "Health", "Issei or first generation"のキーワードをPubMed と University of Hawaii Manoa Library Websiteに入力し論文を検索した。結果、433本の論文がヒットし、最終的に8本の論文が絞り込まれた。ハワイに移住した日系移民一世は、文化、言語、制度の違いから生じる健康問題、そして、生活習慣や食生活の変化が誘因となる、がん、虚血性心疾患などの慢性疾患に罹患しやすいことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主テーマ:東京医科大学病院での対象者のリクルートが計画通りに進まず、2019年5月から他施設共同研究を開始したため、質問票の改編や、倫理委員会への変更申請などの手続きに時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)主テーマ:①解析について:現在は、居住者と旅行者を層別化せずに解析を行った段階である、しかし、旅行者と居住者では、社会背景、例えば、教育歴や、経済的な状況が異なり、層別化して分析を行う必要がある。さらに、外国人患者の受けた医療全体、担当医、通訳への満足感、そして、気分状態を評価するProfile of Mood States(POMS)と通訳の属性の関連について、交絡要因を考慮した多変量解析も検討していく。②社会への発信:日本医学教育学会総会で結果を発表するとともに、英文論文として結果をまとめ社会に発信していく。
2)副テーマ:Literature Reviewの結果を日本公衆衛生学会総会で発表するとともに、英文論としてまとめ社会に発信する。
|
Causes of Carryover |
調査対象者のリクルートが当初の計画よりも遅く終了した。よって、データの分析、調査結果の学会発表、論文分執筆などにかかる経費が次年度に持ち越された。今年度は、主テーマについては、収集したデータを統計ソフトSASを使用し解析を進めていく。その後、結果を英文論文としてまとめる。このとき、英文校正費や英文雑誌への掲載料が当科学研究費から支払われる。さらに、学会でも結果を発表し、ウェブサイトでも発信し、この時の経費も本科研費から支払われる。副テーマについても、現在、論文執筆中であるが、論文作成のために必要な資料収集費、英文校正料、論文掲載費が本研究費から支払われる。
|
Research Products
(6 results)