2018 Fiscal Year Research-status Report
Quality of clinical research papers on complementary and alternative medicine: evaluation with modified systematic reviews
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17K08938
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10248750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10454688)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 代替医療 / 機能性表示食品 / 臨床試験 / 論文の質評価 / システマティック・レビュー / 研究倫理 / 利益相反 / リサーチ・インテグリティー |
Outline of Annual Research Achievements |
ビジネス化し市場拡大してきた代替医療について、公正で誠実な研究活動が行われているのか、日本の代替医療の臨床研究が総体的にどの程度の質であるか、研究活動の公正性や研究倫理が守られているのかを推定するため、既発表論文やデータベースを利用して質の評価を行った。 まず、機能性表示食品の機能性の科学的根拠の質および一般消費者向け抄録の妥当性を評価するため、事前に定義した基準に基づき機能性表示食品を選出し、消費者庁サイトにおける機能性の科学的根拠とされる資料の質をCochrane Risk of Bias等の観点から評価し、問題点を抽出した。その結果、12商品が選出され、4商品は最終製品を用いた臨床試験報告論文6編、8商品は最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー9編が評価対象となった。臨床試験については、主要アウトカムが明確でないもの、ランダム化のプロセスが不明なもの、変化量(または変化率)や群内比較の有意差のみを強調しているものなどが認められた。研究レビューについては、その半数において被験者総数が60名未満であり、ベースラインの不均等、ランダム化・盲検化のプロセス、非直接性の判断等について不適切なものが認められた。この評価作業により、機能性表示食品の臨床試験および研究レビューには方法論的な質に問題があるものが含まれていること、また、一般消費者向け抄録における記載の誠実度には商品によって差があることがわかった。消費者の誤解や過信を避けるため、科学的根拠の質評価、記載の適正性の監視、改善指導が必要とされる基準等について今後も継続的に検討・議論する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の病気療養により2018年前半に活動が中断したため。その後は体調管理のためペースを少し落としながら実施しており、やや遅れながらも計画どおりに遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
代表的な代替医療として鍼治療を例に挙げ、研究倫理の観点から好ましくない研究行為を示唆する論文の有無およびその評価について作業遂行中である。特に、方法論的な質、査読の有無、利益相反、著者の所属の分類、研究助成金の有無、臨床試験の事前登録、倫理審査委員会申請の有無、被験者同意の有無と取得方法、不適切な論文引用および論文盗用の有無などに注目する。 その後、作業過程全体を通して明らかになった消費者にとってわかりやすい評価ポイントを選出し、消費者用のチェックリストを作成する。
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Causes of Carryover |
研究計画に沿って使用した結果生じた少額の繰越であるため、翌年度分と合わせても次年度使用計画に大きな影響はない。
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