2019 Fiscal Year Research-status Report
Quality of clinical research papers on complementary and alternative medicine: evaluation with modified systematic reviews
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17K08938
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10248750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10454688)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代替医療 / 臨床研究 / 研究方法論的質 / 診療ガイドライン / 鍼 / システマティック・レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は代替医療の代表的な治療法として鍼を取り上げ、国内の診療ガイドライン(CPG)における記載や推奨度が方法論的に適切であるかどうか評価した。 まず、鍼の推奨度を記載するCPGを収集し、AGREEⅡによる質の評価、および定義した推奨度と実際の推奨度の一貫性に関する評価を実施した。その結果、対象となった13のCPGはAGREEⅡによる質評価において必ずしも質が高くなく、推奨度の事前定義と実際の推奨度が矛盾しているCPGがあることがわかった。 次に、この中で最も問題の大きかったCPGについて、引用文献やメタアナリシスの手法も含めて詳細に検証したところ、文献選択、データ抽出、データ入力など多方面において、逆の結論を含む深刻な誤りがあることがわかった。このCPGでは他の代替医療に関しても多数の誤りがあることが確認され、その背景にはシステマティックレビューチームを設けていないこと、そしておそらく外部評価委員会を編成していないことが関与していると推測された。 これらの評価・検証作業から、国内のCPGは必ずしも質が高いとは言えず、少なくとも代替医療に関して過大評価や過小評価など、適正な作業過程による適切な推奨度決定がなされていない場合があることが明らかになった。EBMの実践において医療者と患者が適切な決断を行うことを妨げる可能性があることから、各領域の専門家がCPGの質や情報の正誤について継続的にチェックし改善を促す活動を行う必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の半年の病気療養の分だけ遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究機関の延長申請により当初の計画を遂行する。 最終年度(延長分)は、特定の疾患または症状に関して、薬物系・物理系の代替医療の臨床研究の質を評価して相互比較する予定である。 また、ここから得られた知見から、医療消費者が代替医療のエビデンスを判定するために必要なヘルスリテラシーに追加すべき知識を抽出して提示する予定である。
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Causes of Carryover |
研究遅延により延長申請を行い承認されましたので、今回生じた次年度使用額を遅延している研究計画の遂行に使用します。
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