2017 Fiscal Year Research-status Report
集団防御を目的とした地域住民向け感染症リスク教育プログラムの開発に関する研究
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17K08940
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
横尾 美智代 西九州大学, 健康栄養学部, 教授 (00336158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 由美子 福岡大学, 医学部, 教授 (20353170)
早島 理 龍谷大学, 文学部, 教授 (60108272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 予防接種 / ワクチン / 地域共同体 / 感染症 / anti vaccine / 予防接種教育 / 感染症教育 / グループインタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、麻しんや風しん等の感染症が全国規模で毎年のように流行している。外国人観光客の増加に伴い、海外からの輸入例が国内で蔓延する事例、本人あるいは周囲が他の疾患と間違えて対応が遅れ、二次感染、三次感染を引き起こした例など、感染症は個人の問題ではなく地域全体の問題である。治療あるいは予防接種等直接的な対応以外に、「集団で防御する」、「周囲の者が弱者を守る」という姿勢が、流行拡大、重症例の発生予防の鍵の1つである。にもかかわらず、近年、社会の多様化、人口の偏在、都市部への集中等により地域での共同体の結束力は弱まりつつあるし、地域での異世代間交流も希薄であることは多くの研究から指摘されている。本研究では乳幼児を持つ保護者だけでなく、異世代の地域の構成員が感染症の知識を共有し、共同体全体でリスクコミュニケーションを学び、感染症の蔓延を防ぐことができる教育プログラムの開発を目的としている。今年度は、リスクコミュニケーションを展開するための前段階として地域共同体の現在の状況や高齢者における感染症の流行状況などの情報収集、他の先進国での集団防御の状況などについて文献収集を行った。その情報を元に、次年度の世代別リスクコミュニケーション実施に向けて準備を行った。研究遂行上、平成29年度は学修資料の作成まで終了させる予定であったが、遅延している。次年度上半期にグループディスカッションの準備と平行して資料を完成させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度までの研究計画の項目は(1)リスクコミュニケーションのための学習資料の作成(平成29年度上半期)、(2)世代別小グループでのリスクコミュニケーションの実施(平成29年度-30年度)の2項目である。このうち、(1)については、共同研究者間で分担し、それぞれが情報収集を行い、学習資料教材の基礎資料まで作成することができた。しかしながら(2)については、(1)の準備に手間取り、今後協力者を募集し、小グループを作成、調査に入る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の準備段階を踏まえて、今年度は、計画書通りに(2)世代別小グループでのリスクコミュニケーションの実施(平成29年度-30年度)を行う予定である。すでに1)乳幼児を持つ母親向けのリスク教室についてはNPO法人等を通して協力を依頼しており、2)乳幼児の祖父母に相当する壮年および高齢者向けのリスク教室については、地域での公民館講座等に積極的に参加している地域住民を対象として依頼を行うよう準備中である。3)若年層女性向けのリスク教室は鋭意準備中である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では今年度リスクコミュニケーションのための教室開催に必要な費用を計上していたが、次年度に開催がずれ込んでしまった。そのために差額が発生した。この差額は次年度(平成30年度)に使用予定である。
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