2018 Fiscal Year Research-status Report
集団防御を目的とした地域住民向け感染症リスク教育プログラムの開発に関する研究
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17K08940
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
横尾 美智代 西九州大学, 健康栄養学部, 教授 (00336158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 由美子 福岡大学, 医学部, 教授 (20353170)
早島 理 龍谷大学, 世界仏教文化研究センター, 客員研究員 (60108272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 予防接種 / ワクチン / 地域共同体 / 感染症 / anti vaccine / 予防接種教育 / グループワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
保護者の育児方針により乳幼児期に予防接種を与えられていない子どもの増加が先進国共通の課題の1つであり、公衆衛生学上の問題の1つであったが、昨年より「ワクチンで予防できる感染症」が以前よりもマスメディアに取り上げられるようになった。特に、2017年から断続的に発生している外国人観光客や海外からの帰国者に端を発する麻しん、風しんの流行、感染拡大の問題は度々メディアで問題視された。関係団体の積極的働きかけの結果、本年4月の法改正により成人男性(昭和 37 年 4月2日~昭和 54 年4月1日生)へのMRワクチン接種(時限措置)がスタートした。また、SNSの検索等において「予防接種」を検索した場合、以前は批判的なサイトが上位で表示されていたのが、現在は厚労省の情報ページ、安全性を説明する医療系サイトが上位に現れるようになった。反ワクチンサイトへの積極的対策が民間(運営者サイド)レベルで行われるようになった。以上のように予防接種を取り巻く環境は激変し、官民一体の感染症対策が高まりつつあると言えよう。そうなると、感染症や予防接種について情報を提供する側が、地域住民の知りたいと思う内容、地域で感染症を守る意味を充分説明できているかという点が大切になってくる。そこで、一般市民を対象とした予防接種や感染症に関する資料(解説書、DVD)を素材として、乳幼児を持つ保護者で地域でのリーダー的な立場の方約25名(延べ数)に協力してもらい内容の検討を行った。 結果、予防接種に不安のある保護者の多くが関心を持つワクチン液の中身(防腐剤、添加物)以外にも、感染のメカニズム、予防接種以外(栄養)の感染防御策の効果と予防接種による予防効果の差への関心が高いことがわかった。数値化することが困難な問題について、研究者側は触れないことが多いが、言及を避けるのではなく、説明方法を工夫する必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までは大学管理職という立場で、当初予定していた研究活動に必要な時間を確保出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、地域での感染症教育プログラムを完成させる。対話型あるいはゲーム等を取り入れて、乳幼児の保護者だけでなく、高齢者や若者等世代の異なる集団が一緒に学べるようにするにはどうしたらよいか、等考えていきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度予定していた3つの集団(乳幼児を持つ母親・若年~中年の一般市民・高齢者)を対象としたプログラム開発は、準備不足より1つの集団(乳幼児を持つ母親)を対象としたパイロット調査のみで終了したため。昨年度予定していた若年~中年の一般市民および高齢者集団への調査は今年度の計画に組み込んで実施する予定である。
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