2018 Fiscal Year Research-status Report
買い物支援事業を活用した高齢者及び買い物弱者への効果的な食生活支援に関する研究
Project/Area Number |
17K08943
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
藤原 真治 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (40458279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 買い物支援 / 食生活改善 / 口腔機能 / 身体活動量 / 認知能 / 手段的日常生活動作 / 健康寿命 / 地域医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
徳島県美馬市木屋平は過疎高齢化が進行した山間へき地である。平成29年3月、この地域に廃校となった中学校校舎を改修した「木屋平複合施設」がオープンした。同施設には市役所総合支所や郵便局、農協、商店、調剤薬局、研究代表者が所長を務める地域唯一の診療所などが入居している。同施設内の商店は、買い物支援事業を行うことが定められ、本研究もこれを活用した食生活支援の介入を行う予定であったが、実施直前に事業内容が変更となり研究実施が困難な状況となった。そこで、平成29年度は新たな研究計画書づくりを行った。 平成29年度、地域では市が直営する飲食店を拠点とした新たな買い物支援事業の計画が持ち上がり、平成30年度からの実施に向けた準備が開始した。本研究は新たにこの事業と合同して食生活支援を行う計画を立案したが、この事業も実現しなかった。 こうした経過中に医・歯・薬のスタッフで再編成された新たな研究チームにて、さらに研究計画の練り直しが行われた。調査期間の短縮に伴い、研究対象者は、地域の65歳以上の全住民407名から、地域唯一の診療所を定期受診している65歳以上の慢性疾患患者100余名余に変更された。当初予定していた買い物支援事業の活用は結果として困難な状況となったが、外来診療や、地域サロン活動などの場を活用可能な機会ととらえ、社会性や認知能力なども考慮して食生活改善の働きかけを行うこととした。 ベースライン調査は平成30年度中に概ね終了している。令和元年は早急にデータベースの構築と解析を行い、買い物の現状と食品摂取状況、口腔機能、身体活動量などを総合的に評価し、介入のポイントを抽出する予定である。同年度中に実際の介入と効果判定につなげる。健康寿命の延伸に向けた研究を通し地域社会の向上に貢献していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究で活用することとしていた地域の買い物支援事業が相次いで事業内容の大幅縮小あるいは中止の方針となり、2度に渡り研究計画の見直しを余儀なくされた。このため研究実施も予定より大幅に遅れることとなった。 この間に再編された研究チームで研究計画の再検討を行った。平成29年度中に行われる予定であったベースライン調査は平成30年度中に概ね完了しており、遅れは最小限に食い止められていると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の早い段階でデータベースを構築して解析を行い、地域住民に介入するのに適切なポイントを抽出する。 地域住民への働きかけについては、地域の高齢住民全体を対象にベースライン調査と介入を行うポピュレーション・アプローチ(当初案)から、地域唯一の診療所を定期受診している高齢者を主な対象としたハイリスク・アプローチへと研究デザインを変更している。 介入については、当初活用を予定していた地域の買い物支援事業そのものが実現しなかったため、代替案として外来診療の場で個別に、または地域サロン活動などのグループごとに行うこととした。 当地域は過疎高齢化が進行したへき地であり人間関係が比較的緊密であるため、情報は口コミにて拡散しやすい状況にある。ハイリスク・アプローチを行いつつも介入効果が広く地域住民に波及し地域住民が全体として食生活を改善することにつながるよう、今後それが健康寿命の延伸に寄与できるよう介入方法を工夫する予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度はベースライン調査が実施され血液検査の費用や人件費などが発生したが、発注や請求が段階的になり、年度内に支払が完遂していないものもある。令和元年度中は、解析や介入に必要な物品の購入や、経過観察の検査や人件費にて経費が発生する見込みである。
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