2019 Fiscal Year Research-status Report
患者特性に基づく脂質低下療法の費用対効果に関する研究
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17K08945
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
竹上 未紗 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50456860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 健介 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (10514862)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂質低下療法 / 脂質異常症 / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心血管疾患の一次予防としての脂質低下療法について、費用対効果の観点から検討するものである。Cardiovascular Disease Policy Modelを参考にモデルに組み込むパラメタとデータの収集を行った。心血管疾患の発症リスクは、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年度版に採用された吹田スコアを用いることとした。吹田スコアは年齢、性別、喫煙、血圧、HDL-C、LDL-C、耐糖能異常、早発性冠動脈疾患家族歴の情報を用いて10年以内の冠動脈疾患の発症確率を推定するものである。これらの心血管疾患リスク要因の分布については、国民健康・栄養調査および既存の研究より情報を収集した。シナリオに用いる脂質異常症の標準治療は上記ガイドラインに従うこととし、薬剤については、動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年度版に掲載されている薬剤を使用することとした。 2019年に米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドライン、欧州心臓病学会(ESC)と欧州動脈硬化学会(EAS)の脂質異常症管理ガイドラインが改訂された。また、2019年に米国において、心血管疾患の一次予防のためのスタチン使用におけるシミュレーション結果が報告されるとともに、他の国でも費用対効果が報告され、本研究で構築したモデルの見直しが必要となった。次年度は、これまで構築したモデルおよびシミュレーションのシナリオを見直した上で、脂質低下療法の費用対効果分析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題実施期間中に、本研究課題に関する論文がいくつか発表され、モデルの再構築と追加解析が必要となった。加えて、研究代表者の勤務先の移転もあり環境整備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本動脈硬化学会による動脈硬化性疾患一次予防ガイドライン、日本老年医学会による高齢者脂質異常症診療ガイドラインに加え、2019年に改訂された米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドライン、欧州心臓病学会(ESC)と欧州動脈硬化学会(EAS)の脂質異常症管理ガイドラインを総合的に判断した上で、シナリオを再考し、脂質低下療法の費用対効果分析を実施する。
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Causes of Carryover |
本研究課題実施期間中に、研究代表者の勤務先の移転もあり環境整備に時間を要したため研究期間を延長した。次年度の研究費で研究成果の発表を行う予定にしている。
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Research Products
(2 results)