2017 Fiscal Year Research-status Report
Biological treatment using cytosolic migration type drug delivery (Validation in myocardial infarction model)
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17K08947
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥田 明子 (田所明子) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60454584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池主 雅臣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40303151)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | cell penetratin peptide / エンドサイトーシス / EGFP / oligo arginine / サイトゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜透過性ペプチド(CPP: Cell Penetrating Peptide)は、目的の導入物質と結合させたものを細胞へ加えるだけで細胞内へと取り込むことができる。しかし、エンドサイトーシスにより取り込まれることから、導入された物質はエンドソームから出ることができずに、変性・分解されてしまうという問題があった。申請者は、CPPに疎水性配列を付加することで緑色蛍光タンパク質EGFPやIgG抗体などの生理活性分子を、サイトゾルへと導入することができる“サイトゾル移行型CPP (Pas2-R12)”を見出した。今年度は、Pas2-R12の細胞内におけるサイトゾル導入メカニズムを中心に解析を行った。これまで、オリゴアルギニンベースで細胞内へのデリバリーはエンドサイトーシスのうちマクロピノサイトーシスが主経路であることが知られていたが、カベオラ依存性エンドサイトーシスの阻害剤であるGenisteinおよびMβCDをによりサイトゾル移行が抑制されたことから、Pas2-R12でEGFPの細胞内導入の主経路はカベオラ依存性エンドサイトーシスである可能性が示唆された。また、体内動態を調べる予備実験としてPas2-R12でEGFPをマウスへ腹腔内投与を行い、24時間後に臓器への移行解析を行った。パラホルムアルデヒド固定後、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓、脾臓、胸腺、胃の凍結切片を作製し、共焦点レーザー顕微鏡により観察を行った。その結果、心臓組織切片特異的にEGFPを検出した。また心臓組織溶解後の抽出液中からもEGFPが検出された。以上は、Pas2-R12によりEGFPが心臓組織へと移行している可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度の計画のうち、細胞レベルの実験については当初の予定通り進んだ。しかし、動物実験については、投与したEGFPを体内動態をリアルタイムモニタリングする予定であったが、リアルタイムモニタリング機器を共通機器として使用することができず、組織切片と臓器抽出液の解析に切り替えた。また、投与量の問題から対象動物をラットではなくマウスとした。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞レベルの実験については、引き続きサイトゾルへの導入メカニズムの解析を行う。一方、動物実験において心筋アポトーシス抑制効果を持つPim-1タンパク質の治療効果を評価する為に、Pim-1発現遺伝子のクローニングおよびタンパク質の精製を行う。その後、Pas2-R12による臓器指向性を確認する。
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Causes of Carryover |
ペプチド合成を委託していたが、当年度中での納品が間に合わず次年度納品となった為。
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