2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢関節リウマチ患者における抗リウマチ薬の安全性と有効性に関する疫学研究
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17K08963
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
酒井 良子 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (30631981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬剤疫学 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
①CORRECTデータベースで収集するデータは、関節リウマチ(RA)治療内容、疾患活動性、重篤な有害事象の有無と詳細、全般的疾患活動性評価、身体機能障害の評価指標を登録時から半年毎に収集する。本データベースを用いて、分子標的薬の安全性と有効性を解析するため、本データベースへの患者登録の推進とデータベースの充実化を行った。2019年4月9日時点での登録患者数は901例(分子標的治療薬群498名、コントロール群403名) ②ナショナルデータベース(NDB)を利用して、我が国のRAの診療実態を明らかにする。明らかにする診療実態は、RA全体における抗リウマチ薬の使用割合、併存症や合併症の有病率などである。さらにこれらの項目を高齢者と非高齢者での比較し、我が国のRA診療格差の実態も明らかにする。平成30年度はNDBの利用申請書類を作成に伴い、データ抽出に必要な項目(傷病名、薬剤名など)をそれぞれのマスタを使用し定義した。申請書類を平成30年7月に提出し、同年9月に無条件承諾された。平成31年3月に特別抽出データが厚労省より届いた(医科レセプト 252ファイル 1,147,238,333件、DPCレセプト 504ファイル 184,889,065件、調剤レセプト 259ファイル 983,554,887件)。傷病名および抗リウマチ薬や経口副腎皮質ステロイドの処方データを組み合わせ、7通りの定義(1.RA確定病名のみ、2.RA確定病名+抗リウマチ薬の処方または経口副腎皮質ステロイドの処方、3.RA確定病名+抗リウマチ薬の処方、4.RA確定病名+抗リウマチ薬の2回以上の処方、5. RA確定病名+抗リウマチ薬の6回以上の処方、6.RA確定病名+主な抗リウマチ薬の処方、7.RA確定病名+主な抗リウマチ薬の2回以上の処方)を作成し現在、各定義に合致するRA患者数を計算している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナショナルデータベースの特別抽出作業完了時期が予想よりも数カ月程度遅れ、解析に着手する時期が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①引き続きCORRECTデータベースへの患者登録の推進とデータベースの充実化を徹底する。 ②CORRECTデータベースを用いて、高齢RA患者における分子標的薬の有効性と安全性について解析を進める。 ③高齢RA患者におけるRA治療の実態と分子標的薬使用下における安全性に関する疫学研究を実施するため、ナショナルデータベースを用いてRA患者を同定し、抗リウマチ薬の使用率、各検査実施率、RAに関連した手術の施行率、リハビリテーション実施率などを記述する。さらに、高齢者と非高齢者でこれらの項目を比較する。
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Causes of Carryover |
理由:CORRECTデータベースを用いた研究において平成29年度に予定していた高齢者に関する解析が実施できなかったため。 使用計画:CORRECTデータベースを用いた研究における統計解析の費用、欧州リウマチ学会などの学会発表のための旅費等に使用する予定である。
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