2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢関節リウマチ患者における抗リウマチ薬の安全性と有効性に関する疫学研究
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17K08963
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
酒井 良子 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (30631981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 薬剤疫学 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
①CORRECTデータベースで収集するデータは、関節リウマチ(RA)治療内容、疾患活動性、重篤な有害事象の有無と詳細、全般的疾患活動性評価、身体機能障害の評価指標を登録時から半年毎に収集する。本データベースを用いて、分子標的薬の安全性と有効性を解析するため、本データベースへの患者登録の推進とデータベースの充実化を行った。2020年3月26日時点での登録患者数は916例(分子標的治療薬群513名、コントロール群403名) ②ナショナルデータベース(NDB)を利用して、我が国のRAの診療実態を高齢者と非高齢者で比較した。2019年度はRA確定病名が付与されかつ抗リウマチ薬の2ヶ月以上の処方を満たした症例における年齢階層別(16-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-69歳、70-79歳、80-84歳、85歳以上)の抗リウマチ薬の処方割合とその内訳、経口副腎皮質ステロイドおよび非ステロイド性抗炎症薬の処方割合、RAに関連した関節手術および検査(関節超音波検査、骨密度検査)の施行割合などを算出した。 ③保険データベースを用いて、関節リウマチの第一選択薬であるメトトレキサート(MTX)と比較した分子標的薬の入院を要した感染症(HI)のリスクを若年者(16-64歳)、高齢者(65-74歳)、超高齢者(75歳以上)で比較した。その結果、MTXに対する分子標的薬のHIの粗の発現率比は高齢になるに従い低下し、高齢になるにつれて経口副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤の処方割合が低いことから年齢に応じた治療の適切な調整がなされていることが影響していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナショナルデータベースの特別抽出作業完了時期が予想よりも数カ月程度遅れ、解析に着手する時期が遅れたためと、CORRECT研究のフォローアップデータの各施設での入力が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①CORRECTデータベースを用いて、高齢RA患者における分子標的薬の有効性と安全性について解析を実施する。 ②高齢RA患者におけるRA治療の診療実態と分子標的薬使用下における安全性に関する疫学研究を実施するため、ナショナルデータベースを用いて年齢階層別の併存症有病割合を算出し、若年者と高齢者でその割合を比較する。 ③保険データベースを用いた、高齢者における分子標的薬の入院を要した感染症のリスクに関して、感度解析を行い結果の頑健さを確認する。
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Causes of Carryover |
理由:CORRECTデータベースを用いた研究においてフォローアップデータの取得が遅れ、2019年度に予定していた高齢者に関する解析が実施できなかったため。 使用計画:CORRECTデータベースおよび保険データベースを用いた研究における統計解析の費用、学会発表のための旅費等に使用する予定である。
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