2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K08968
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山岸 昌一 久留米大学, 医学部, 教授 (40281026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PEDF受容体 / アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で得られた機能的ラミニン受容体アプタマーをHUVECを用いたin vitroアッセイの結果、50個程からなる候補アプタマーの中から、機能性アプタマーを絞り込み、その塩基配列を決定した。具体的には、10 micro g/mlのGLAPに内皮細胞を4-24時間暴露させ、PEDF様抗酸化・抗炎症作用を持つラミニン受容体アプタマー(アゴニストアプタマー)を絞り込み、GLAPによる酸化ストレス産生(DCFDA法、DHE法などで計測)、NF-kappaBの活性化(ルシフェラーゼ活性や活性型p65の免疫染色法などで計測)、MCP-1遺伝子の発現誘導(RT-PCR法で検討)を抑制する効果を有するクローンは見つからなかった。そこで、残りの候補アプタマーについて、再度アプタマーを化学合成し、GLAPによる内皮細胞の酸化ストレス産生の抑制効果を再検討した。その結果、いくつかの候補アプタマーが酸化ストレスの抑制効果を示した。しかし、MCP-1遺伝子の発現誘導を有意に抑制するものは得られなかった。そこで、候補アプタマーを再度作製するところから検討した。再検討にあたり、アプタマーを作製する際のSELEX法の回数を前回より増やすことで、よりラミニン受容体に対する親和性の高いアプタマーを得ることとした。現在、HUVECを用いたin vitroアッセイ(酸化ストレスアッセイ)により、機能性アプタマーの絞り込みをおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機能的ラミニン受容体アプタマーがえられず、再度アプタマーの作製から検討しているため。今回、候補アプタマーのラミニン受容体に対する親和性は測定していないが、恐らくより親和性の高いアプタマーを得られず、ラミニン受容体のリガンドであるPEDF様の活性を示すアプタマーが得られなかったと思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
最初に作製した候補アプタマーがいずれもin vitroにおける活性(GLAPにより惹起される細胞内酸化ストレスの抑制および、炎症性遺伝子MCP-1の発現抑制効果)を示さなかった。そこで、アプタマーの作製(SELEX法)を再度おこなうにあたって、より親和性の高いアプタマーが得られるように、SELEX法のサイクル数を、増やした。SELEX法においてはサイクル数を増やすに従って、より親和性の高いアプタマーが選別される。現在、得られた候補アプタマーについてin vitroにおける酸化ストレスアッセイをおこなっているので、酸化ストレス抑制効果を示すアプタマーが得られ次第、続いてNF-kappaBの活性化(ルシフェラーゼ活性や活性型p65の免疫染色法などで計測)及び、MCP-1遺伝子の発現誘導(RT-PCR法で検討)の抑制効果について、確認をおこない、機能性ラミニン受容体アプタマーの絞り込みをおこなう。その後動物モデル(ストレプトゾトシン投与による1型糖尿病モデルラット)を作製し、機能性ラミニン受容体アプタマーの効果を確認する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況(アプタマーの作製を再検討した)に合わせて、実験内容を変更し、予定していた動物実験をおこなう必要がなくなり、その予算分を消耗品に割り振った結果、余剰分が生じたため。次年度において、予定しているアプタマーの絞り込みと、動物実験に使用する。
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Research Products
(20 results)