2017 Fiscal Year Research-status Report
心肝連関因子としての鉄代謝異常関連分子の意義解明とその測定の臨床検査医学的応用
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17K08971
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤井 聡 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90291228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 和美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80344555)
生田 克哉 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00396376)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臨床検査医学 / NAFLD / 動脈硬化症 / 鉄代謝 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は本邦において健康診断の受診者に高率にみられる肥満、インスリン抵抗性を背景とした非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD)での心血管疾患の解析である。肝疾患では過剰鉄はフリー鉄として酸化ストレスを増加する。一方、動脈硬化巣には鉄が過剰に存在する。本研究は代謝異常を背景とした肝疾患と心血管疾患は鉄代謝異常を共通基盤に持つことに着目した。脂肪肝・肝線維化の程度、酸化ストレスと動脈硬化症の重症度との関係を時空間的に解析する。脂肪肝の合併が動脈硬化病変を進展させる病態を、我々が開発した迅速臨床検査法を用いて、鉄代謝の視点から解明する。心血管疾患と肝疾患を「心肝連関」として有機的にリンクさせ迅速に解析する方法を確立し、臨床検査に新たなパラダイムを切り拓き、得られた成果の社会実装と社会還元の可能性を探索することを目指している。倫理委員会の承認を取得し、心疾患の解析、肝疾患の解析、および鉄代謝の評価系の準備を行い、研究を進めていくための準備が進行している。分担研究者らの協力により、リアルタイムな鉄動態を反映する迅速臨床検査法の運用、および超音波検査法を用いたエラストグラフィーの運用を確認した。しかしながらデータ登録を行う予定であったものの、いまだ十分なデータ登録はできていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会の承認を得た後に、対象患者の負担を減らすため診療科医師や臨床検査技師と円滑に研究を進めていくための運用について話し合い準備を進めている。鉄代謝の評価について分担研究者らは、赤球ヘモグロビン等量(RET-He)の健常人でのデータ解析を行っている。自動血球分析装置で迅速に測定可能であり、リアルタイムな鉄動態を反映することで、鉄欠乏の際にRET-Heは低値を示すかを検討してきた。肝臓の線維化の指標となるMac-2 binding protein糖鎖修飾異性体の測定用機器は購入済みである。分担研究者による少数例を対象とした検討では、Mac-2 binding protein糖鎖修飾異性体とエラストグラフィー、生理機能検査における動脈硬化の指標との強い関係は認められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後エントリーを開始し、データを登録し研究を進めていく。鉄代謝は酸化ストレスのマーカーとの関係を、症例数を増やして検討する予定である。また症例数を増やしてMac-2 binding protein糖鎖修飾異性体と脈波伝播速度や頸動脈硬化など諸指標との相関を検討する。また、エラストグラフィーのみならず、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD) fibrosis scoreと心機能や動脈硬化の諸指標との関係も検討する。
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Causes of Carryover |
データ登録が十分に行われていないため鉄代謝の評価のための検査用試薬、分子生物学的試薬のための費用が使用されなかった。データ登録と検体採取が行われる予定であるので検査用試薬、分子生物用試薬のための費用として使用予定である。
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[Presentation] Levels of circulating miRNA 122 and their correlation with hematologic variables.2017
Author(s)
Satoshi Fujii,Sri Suryo Adiyanti, Katsuya Ikuta, Takashi Okuyama, Noriyasu Niizeki, Hiroyuki Takahashi, Yoshie Kawahara, Yumi Watanabe, Atsushi Ito, Yutaka Tomoda, Isao Kawabata, Kazumi Akasaka
Organizer
The 29th World Congress of World Association of Societied of Pathology and Laboratory Medicine; WASPaLM 2017