2020 Fiscal Year Research-status Report
乳癌バイオマーカーの蛍光ナノ同時多重染色と高感度定量化による遅発性再発予測
| Project/Area Number |
17K08972
|
|---|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
多田 寛 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50436127)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00292318)
北村 成史 東北大学, 医学系研究科, 講師 (50624912)
宮下 穣 東北大学, 大学病院, 講師 (60710788)
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 乳癌遅発性再発 / ABCトランスポーター |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに乳癌術前化学療法後に腫瘍が遺残した症例に対してNano-IHCを用いた薬剤耐性に関与するバイオマーカー蛋白の 高感度定量化を行った。2004ー2010年に当院でアンスラサイクリ ン系薬剤を含む術前化学療法を施行し、浸潤癌の 遺残が認められた37症例での検討で、治療効果との相関を明らかにした。2004-2010年に当院でアンスラサイクリン系薬剤を含む術前化学療法を施行し、浸潤癌の遺残が認められた37症例の手術検体のパラフィ ン包埋切片に対してNano-IHC法でBCRPの定量化を行い予後解析を行った。各症例のNano-IHCによるBCRP蛋白スコアの分布は5.4-36.4であり、ROC曲線を用いてカットオフ値を 17と設定した結果、BCRP高値群(スコア17以上)は低値群(スコア17未満)と比較し有意に生存期間が短かった(5年生存率 50.0% vs 96.0%, p<0.05)。以上の中間解析を2018年4月6日に開催された日本外科学会定期学術集会で報告、プレナリー セッションに選出された。さらに遅発性再発が多いエストロゲン受容体陽性乳癌に着目し、核外エストロゲン受容体が遅発性再発に関与することを明らかにし 論文報告している(Cancers 2019, 11(4), 526; https://doi.org/10.3390/cancers11040526)。上記のデータセットの全生存期間、乳癌特異的生存期間、無再発生存率についての長期予後解析は昨年度で終了しており、一部については当院バイオバンクによるがんゲノムデータも取得されている。更に遅発性再発に関わるバイオマーカー蛋白の追加免疫染色中であり検討中である。大部分の蛍光免疫染色については終了し、COVID-19の影響で蛍光ナノ粒子の搬入が遅れたが、残りの蛍光免疫染色についても再開している状況であり、順次高感度定量化解析を行っている。BCRPを含めた遅発性乳癌再発に関与するバイオマーカー解析に関して、対象データセットについての観察期間を延長した予後との関連の検討を行い、論文執筆中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度はCOVID-19の影響で、蛍光ナノ粒子の搬入及び免疫染色が滞ったため、予定通りの解析が困難であった。現在、未染色の症例についての染色作業は順調に行っているが、解析まで1-2ヶ月を要する状況である。しかし2021年夏には免疫染色が完了見込みであり、今年度で結果解析、論文執筆が可能な状況である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
上記のように蛍光ナノ粒子PIDによる蛍光免疫染色は2021年春より開始できており、開始が遅れたが作業は順調に進んでいる。1年延長となったが、2020年度内 に解析・論文完成は可能である。
|
| Causes of Carryover |
COVID-19の影響により研究が滞ったため。今年度で残りの10数例の蛍光免疫染色及び解析を行う。論文作成には既にとりかかっており、英文校正費を計上し今年度中の論文受理を目指す。
|
Research Products
(2 results)
-
[Presentation] 乳癌におけるがん遺伝子パネル検査の問題点とその対応についての検討2020
Author(s)
多田寛,原田成美,濱中洋平,佐藤章子,江幡明子,中川紗紀,金井綾子,佐藤未来,柳垣美歌,角掛聡 子, 進藤 晴彦, 宮下 穣, 石田 孝宣
Organizer
第28回日本乳癌学会学術総会
-
