2020 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化性大動脈瘤の網羅的糖鎖解析による新たな疾患関連指標の探索
Project/Area Number |
17K08989
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 知範 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60535235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 敦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50302287)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 動脈硬化 / 腹部大動脈瘤 / 糖鎖蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化性腹部大動脈瘤の診断で外科的手術に至り病理組織採取に至った症例は27症例であった。侵襲性の低い大動脈ステントグラフト治療が選択される対象が増加しているため、当初の予定に比べて外科治療が選択される対象が少なく登録が予定よりも遅れた。その後は指定された方法で作成したスライド切片を分担施設である産総研に送付し、糖鎖解析を展開し、大動脈瘤に関連する候補となる糖鎖蛋白の同定を行った。現在は候補となる糖鎖蛋白のなかから確認作業を行う段階であるが組織の改編やコロナウイルス感染拡大の影響もあり研究が遅滞していた。 2020年度は大動脈瘤組織切片の血管壁構造の破綻部と比較的構造が保たれた部位について比較糖鎖プロファイル解析を行った。計26検体のうち、両部位が確認された15検体において、5検体ずつ3回に分けてスライド染色、レクチンアレイ分析をおこなった。レクチンアレイでは、まずNet intensityでの比較を行ったが、全体での部位間の比較では大きな差は認められなかったが、同一検体の部位間で有意差があるレクチンが挙げられた。標準レクチンで標準化したデータの比較においても全体の部位間比較では大きな差を認めなかったが、同一検体の部位間比較で有意差のある候補が挙げられた。これらのなかから、組織染色レクチンの選抜を行い、検証を進め候補を絞り込んでいく予定である。並行して血液サンプルのmicroRNAアレイ解析を行った。組織染色レクチンの検討が進めば、血液中への分泌性を確認し、候補レクチンとの関連性を検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定されていた症例数よりも対象が少なかったことと組織の改編やコロナウイルス感染拡大の影響もあり研究が遅滞している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究再開の目途がたてば現在は候補となる糖鎖蛋白の確認作業を行い、血液中への分泌およびmicroRNAとの関連性を検討し、血液バイオマーカーとなりうるか評価する。
|
Causes of Carryover |
研究の遅延により当初の計画と差が生じたため
|