2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploratory investigation for new indicators based on comprehensive glycan-based analysis of arteriosclerotic aortic aneurysms
Project/Area Number |
17K08989
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 知範 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60535235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 敦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (50302287)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤組織切片の血管壁構造の破綻部と比較的構造が保たれた部位について比較糖鎖プロファイル解析を行った。計26検体のうち、両部位が確認された15検体において、5検体ずつ3回に分けてスライド染色、レクチンアレイ分析をおこなった。レクチンアレイでは、まずNet intensityでの比較を行ったが、全体での部位間の比較では大きな差は認められなかったが、同一検体の部位間で有意差があるレクチンが挙げられた。標準レクチンで標準化したデータの比較においても全体の部位間比較では大きな差を認めなかったが、同一検体の部位間比較で有意差のある候補が挙げられた。これらのなかから、組織染色レクチンの選抜を行い、検証を進め候補を絞り込んだ。 1レクチンをコントロールレクチンとしてプレ実施したのちに、6レクチン6症例を蛍光染色した。組織形態を見やすくするためのコントロールレクチンとしてWGAレクチンも使って2重染色を実施した。そのなかで、代表的な標本において血管構造が比較的保たれた組織部位と血管構造の破綻した動脈瘤組織の部位でのコントラストが強い2レクチンに絞りさらに検討を進めた。残りの9検体でコントロールレクチンとしてWGAを用いてWGAにおいては差がないところを確認したうえで対象レクチンのシグナル強度を比較したが有意差は認められなかった。同一検体内で血管構造が比較的保たれた組織部位と血管構造の破綻した動脈瘤組織の部位での検討では、正常構造に近いと部位であっても組織障害が始まっているところもあり動脈瘤病変部とのレクチンコントラストが出にくいと推察された。 個々の組織標本を見直して糖鎖蛋白の発現に関して検討したが効果的な手法を見いだせなかった。血液中への分泌性に関してmicroRNAが代理指標となることを期待してアレイ解析を行い、それらの関連性を検討したが今回の検討では決定的なものは得られなかった。
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