2017 Fiscal Year Research-status Report
HDL-miRNAの動脈硬化発症および進展に対するバイオマーカーとしての可能性
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17K08996
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石川 浩章 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (50321013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 宏哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80610352)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | microRNA / HDL-miRNA / 動脈硬化症 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、microRNA(miRNA)は、exosomesやmicrovesicles以外に、HDLなどのリポタンパクに含まれている事が明らかになっている。また、HDL中に含まれるmiRNA(HDL-miRNA)は、血清や血漿などの体液中に非常に安定した状態で存在しており、HDL-miRNAは、家族性高コレステロール血症および冠動脈疾患患者において、健常者と比較して、有意な変化を示すとの報告がある。本研究では、一般的に測定されているTotal miRNA やexosome 中のmiRNA を分析するのではなく、HDL中のmiRNA を解析し、生活習慣病に起因する動脈硬化の病態進展や発症予測における新規バイオマーカーとしての可能性を検討するものである。現在、我々は某地域住民の健康診断を受診した被検者を対象に、動脈硬化の有無を超音波検査による頚動脈の内膜中膜複合体厚(IMT)を測定し、動脈硬化症とHDL-miRNAの関係を解析した。さらに、動脈硬化症、Ⅱ型糖尿病および高血圧など様々な疾患のベースとなる肥満とHDL-miRNAの関係についても検討した。その結果、動脈硬化や肥満においてHDL-miR-24, 92, 223, 486は有意な増加を認めたが、血漿中のTotal miR-24, 92, 223, 486では、有意な変化を示さなかった。また、その時の一般的な動脈硬化のマーカーとされているHDL-コレステロール濃度は、健常群と動脈硬化群の間では、有意な変化を示さなかった。従って、HDL-miRNAが動脈硬化における新規のバイオマーカーである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、動脈硬化症の発症および進展に関する新たなバイオマーカーの可能性としてHDL-miRNAの可能性を検討している。今年度は、動脈硬化症で変化する数種類のHDL-miRNAを見出すことに成功し、動脈硬化の前段階で起こる可能性がある肥満においても、これらのmiRNAが変化することも明らかにした。また、HDL-miRNAの測定時における精度管理上の問題も解決し、次年度に向けた準備も順調に進んだ。これらの事から、本研究は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
以上のように、我々は、動脈硬化および肥満で変動する数種類のmiRNA を同定しているが、今後はサンプル数を増やし、肥満から始まる動脈硬化の発症や進展に関する有用なマーカーとしての HDL- miRNA を検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度以降に使用する予定です。
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[Journal Article] Establishment of a simpler method for measuring HDL-microRNAs2018
Author(s)
Hiroaki Ishikawa, Hiroya Yamada, Kanako Kondo, Takeru Ota, Mirai Yamazaki, Yoshitaka Ando, Genki Mizuno, Eiji Munetsuna, Koji Suzuki, Ryoji Teradaira, Koji Ohashi
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Journal Title
Annals of Clinical Biochemistry
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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