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2017 Fiscal Year Research-status Report

DNAメチル化の観点から骨髄異形成症候群の発症機序に迫る

Research Project

Project/Area Number 17K09000
Research InstitutionKawasaki Medical School

Principal Investigator

辻岡 貴之  川崎医科大学, 医学部, 講師 (50330551)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsMDS / DNMTIs / 白血病 / DNAメチル化 / CH25H / 25-OHC
Outline of Annual Research Achievements

DNAメチル化阻害薬(DNMTIs)はハイリスク骨髄異形成症候群(MDS)患者の治療に用いられてきた。しかし, 作用機序については不明な点が多い。我々はMDS細胞株, MDS-LをDNMTIsで処理し,網羅的遺伝子発現解析と全ゲノムを対象としたメチル化解析を行った。そして, 薬剤処理で発現が上昇し, かつ脱メチル化された遺伝子を複数個抽出した。特にcholesterol 25-hydroxylase (CH25H)に注目した。CH25Hは, cholesterolの水酸化を触媒する酵素であり, 血液腫瘍細胞に対する毒性が報告されている25-Hydroxycholesterol (25-OHC)を産生する。
CH25H mRNAの発現は元来, MDS/白血病細胞株においてほとんど認めないが, DNMTIs処理を行うことにより発現量が容量, 時間依存性に増加した。CH25H遺伝子プロモーター解析を行ったところ, HL-60(白血病細胞株), MDS-L細胞株では高度にメチル化されていたが, DNMTIs処理によって脱メチル化が起こり, CH25H mRNAの発現増加, CH25H-oxysterol経路の活性化, 25-OHCの産生, アポトーシスによる細胞死が誘導された。次に健常人骨髄CD34陽性細胞において遺伝子プロモーター解析を行なったところ, 低メチル化状態であることを明らかにした。Lenti virusを用いたCH25HshRNA導入株の実験ではDNMTIsによる細胞死が部分的に抑制された。またMDS/白血病細胞株を25-OHCで処理したところ, 増殖抑制効果を認めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の目的は白血病, 骨髄異形成症候群(MDS)患者の治療薬として頻用されているDNAメチル化阻害薬(DNMTIs)がどの遺伝子を脱メチル化することによって細胞死を誘導するか同定することである。我々はマイクロアレイと網羅的メチル化解析を通じてコレステロール・オキシステロール代謝経路に注目した。特に細胞毒性の強い25-OHCを産生する酵素であるCH25Hに注目し, その役割を主に細胞株レベルで検討した。
上記実験結果を踏まえて, 患者検体で同様の事象が起きるか検討する必要がある。しかし, 対象疾患(急性白血病, MDS)の頻度が少なく検体が手に入りにくい状況のため,実験に遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

今後, 患者MDS/ 白血病細胞を対象としたCH25Hプロモーター解析とDNMTIsの治療効果の解析を行う予定である。
コレステロール・オキシステロール代謝経路の最終産物は数種類の胆汁酸である。25-OHCの最終代謝産物はコール酸である。質量分析を用いて各種最終代謝産物を同定していく。

Causes of Carryover

DNMTIsは脱メチル化機序によってCH25H-oxysterol経路を活性化しMDS/白血病細胞に対してアポトーシスを誘導する。今後, 患者MDS/ 白血病細胞を対象としたCH25Hプロモーター解析とDNMTIsの治療効果の解析を行う予定である。
しかし, 患者検体の入手が遅れた為, 次年度使用額が生じた。次年度使用額は30年度交付額と合わせ患者検体の解析と同経路の最終代謝産物である胆汁酸成分の解析に使用する予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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