2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research for constructing a new treatment strategy for acute heart failure-Application of diuretic responsiveness and biomarkers-
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17K09002
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
吉原 史樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (70393220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 利尿薬反応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、(1)レジストリ研究の解析結果およびサブ解析結果を第83回日本循環器学会にて発表し論文作成を行った。(2)バイオマーカー研究に関して、倫理審査委員会の承認を得て症例登録を実施し、目標症例100例の登録を終了し、別途腎機能低下の予測因子を検討した。 (1)レジストリ研究の結果、急性腎障害(AKI)有、かつ、低利尿薬反応の患者群では、AKI無、かつ/または、高利尿薬反応の群と比較して、死亡率が有意に高値であった。Cox比例ハザード分析の結果、死亡リスクはAKI有、かつ、低利尿薬反応の患者群においてAKI有、かつ、高利尿薬反応の患者群と比較して有意に高値であった。AKI有、かつ、低利尿薬反応群の関連因子は、尿素窒素高値および静脈内ドブタミン投与であった。以上より、急性心不全の重症度に応じて、低利尿薬反応性を伴うAKIを発症した場合、生命予後悪化に繋がる可能性が高くなると考えられた。 サブ解析の結果、急性心不全患者の約30%に中等度から重度の三尖弁逆流が指摘された。患者を三尖弁逆流のグレードとAKI合併の有無で分類すると、AKIを合併した中等度から重度の三尖弁逆流の群で死亡率が高かった。よって、急性心不全患者の三尖弁逆流評価は、AKI合併患者のリスク層別化に寄与する可能性がある。 (2)バイオマーカー研究の結果、血中B型ナトリウム利尿ペプチド濃度が高く、心臓カテーテル治療後の尿中L型脂肪酸結合蛋白レベルが高い患者群は、腎障害を合併し易いことを同定した。尿アドレノメデュリンレベルも低K血症と関連を有し上昇することを同定した。今後は如何なる治療介入が心不全の重症化や腎障害の進行を抑制することが出来るかを明らかにすることが重要である。
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Research Products
(3 results)