2018 Fiscal Year Research-status Report
Companion Diagnostics to predict the effects of molecularly-targeted drugs on acute leukemia stem cells
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17K09005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東田 修二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251510)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / 分子標的薬 / コンパニオン検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性白血病の治癒には、症例ごとの白血病幹細胞を複製する分子メカニズムを明らかにし、それに対応した分子標的薬を開発して、白血病幹細胞を根絶する必須がある。さらには、その薬の効果を予測するコンパニオン検査法が必要である。平成30年度は、幹細胞性を制御することが知られているNOTCH、Hedgehog、WNTの3つの分子が関わるシグナル伝達系の白血病細胞の増殖に対する作用とそのシグナルの阻害の効果、および解析方法を中心にを研究を行い、その成果を4編の論文として発表した。 急性骨髄性白血病細胞で、Hedgehog系やWNT系のシグナル構成分子をノックダウンすると、NOTCHやmTORシグナルが活性化することがある現象を見出した(論文1)。また、Tリンパ芽球性白血病で、FOXP3分子をノックダウンすると、NOTCHシグナルを抑制して増殖を抑える現象を見出した(論文2)。これらの事実は、ある分子標的薬を用いる場合には、関連するシグナルへの影響を考慮する必要があることを示唆している。 また、NOTCHシグナルの活性化にはNOTCH蛋白への糖鎖の付加が影響を与えることが知られているが、急性骨髄性白血病細胞において、NOTCHの活性化が糖転移酵素の発言が増強することを見出した(論文3)。さらに、急性骨髄性白血病細胞に対して、受容体型チロシンキナーゼであるMERTKの阻害剤がその増殖を抑制することを示した(論文4)。糖鎖に関連した分子やMERTKも新たな分子標的となりうる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白血病幹細胞に関わるシグナルの分子標的に関する知見と、それを解析する方法について、充分な成果が上がり、英文原著論文として成果を公表できているため、順調に進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度以降は、研究計画に従い、体内で白血病幹細胞が存在する低酸素環境において発現されるHIF蛋白とNOTCHなど幹細胞制御分子との関連性を検討し、それらの阻害による効果、および、その効果を予測する検査法の開発を進める予定である。また、昨年は白血病細胞株を中心とした研究であったが、これらで得られた知見が、患者から採取した白血病細胞にも当てはまるかを検証する予定である。さらには、これらの結果から、どのような解析手法が、コンパニオン診断検査として有用かを総括する。
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