2018 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸管分泌液中のTFF検出による子宮頸部腺系病変の早期発見に関する検査法の開発
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17K09010
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
太田 浩良 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50273107)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮頸部腺系病変 / 子宮頸部胃型腺癌 / TFF |
Outline of Annual Research Achievements |
1.子宮頸部腺癌の免疫表現型に基づいた組織分類の検討 子宮頸部腺癌の免疫表現分類とその診断基準を目指し、今年度は子宮頸部上皮内腺癌(AIS)を対象に免疫表現型に基づいた組織型分類を試みた。AIS36例,分葉状子宮頸部腺過形成(LEGH)23例および非腫瘍部子宮頸管粘膜につき、細胞系列マーカー(胃上皮マーカーclaudin 18: CLDN18, 腸上皮マーカーadherin 17: CDH17,ミュラー管由来上皮のマーカーとしてPAX)の免疫染色を行い、免疫表現型とその組織像を検討した。PAX8に関しては胃癌40例および大腸癌20例から作成した組織マイクロアレイ(TMA)における染色性も検討した。AISは細胞系列マーカーの陽性細胞数に基づき、胃型2例(5.6%)、腸型9例(25%)、胃・腸型4例(11.1%)、ミュラー管型18例(50%)、分類不能型3例(8.3%)に分類された。LEGHは全例胃型であった。PAX8の発現は胃型50%、胃・腸型66.7%、腸型62.5%、LEGH65.2%に認められ、胃癌および大腸癌のTMAは全例陰性であった。また、非腫瘍部頸管粘膜上皮はCLDN18陰性、CDH17陰性、PAX8全例陽性であった。LEGHの合併は胃型の1例(50%)および胃・腸型の1例(25%)みられた。扁平上皮系病変(LSIL/HSILないしは扁平上皮癌)の合併は胃・腸型1例(25%)、腸型7例(77.8%)およびミュラー管型腸型9例(50%)にみられた。また、胃型症例全例とLEGHの合併がみられた胃・腸型の1例には扁平上皮系病変の合併は認められなかった。胃型、腸型およびミュラー管型に特徴的な病理組織像を確認できた。 2.子宮頸部分泌物中のTFFの測定とその診断的意義の検討 子宮頸管分泌物の集積を継続しており、子宮頸管分泌物中のTFF測定と免疫表現型との対応の検討を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞系列の包括マーカーによる子宮頸部上皮内腺癌の免疫表現型分類の基準と組織像の特徴を明らかにすることができ、子宮頸部浸潤性腺癌の免疫表現型分類の検討の指針を得ることができた。また、子宮頸部分泌物の検体集積が進み、子宮頸部分泌物中のTFFと子宮頸部腺系病変の免疫表現型および組織像との対応の解析準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.子宮頸部浸潤性腺癌を対象に、細胞系列マーカーの免疫染色に基づいた免疫表現型分類とその病理組織学的特徴を検討する。 2.子宮頸管分泌液中のTFFと子宮頸部病変との相関、更に、病理診断組織が利用可能な症例については、子宮頸部腺癌の免疫表現型並びに病理組織像と子宮頸管分泌液中のTFFとの比較検討を行うことにより、子宮頸管分泌物中のTFF測定の子宮頸部腺系病変診断への応用を検証する。
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Research Products
(1 results)