2018 Fiscal Year Research-status Report
HIV-1 transcriptome analysis
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17K09016
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 賢文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (70402807)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HIV-1感染症 / 慢性ウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の様に、本研究課題の、高精細HIV-1ランスクリプトームと慢性持続感染病態との関連性解析研究を遂行した。 昨年度までにセットアップした、DNAプローブを活用したウイルス配列濃縮法による高感度HIVトランスクリプトーム解析法を用いて、臨床検体のウイルストランスクリプトーム解析を行った。 抗ウイルス療法無し、あるいは抗ウイルス療法ありの状態の感染者末梢血検体を15検体選定して予備的解析を行った。 これまでの報告から、HIV複製は末梢血では極めて低いことが知られており、今回の高感度な解析でも、極めて低いレベルのウイルス転写物を検出するに留まった。結果の解釈として以下の2つの可能性が考えられた。①治療前の感染者検体においても、末梢血液中に存在するウイルス転写物は極めて微量であるため、高感度な検出系であっても検出されない。②検出感度が不十分で有り、改良が必要。 今回のシークエンス解析の深さとプローブ濃縮効率の高さを合わせて考えると①の可能性が高いと考えられた。しかしながら、今回の限られた転写物情報の中に、ウイルスとヒトとのキメラ転写産物が検出されているのは興味深い結果であった。今後より転写レベルの高い症例に絞って解析する事で、より多くの情報や新しい知見が得られる可能性が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体での解析結果まで行う事が出来た。ウイルスの転写物の充分な検出には至っていないものの、末梢血検体におけるウイルス遺伝子発現が極めて低いことが原因である。最終年度に、症例をより選定して、当初の目標達成を行う予定。
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Strategy for Future Research Activity |
HIV複製は末梢血では極めて低いことが知られており、今回の高感度な解析でも充分なウイルス転写物を検出することは出来なかった。リンパ節検体などの活用が1つの方向性であるが、検体数など制限がある。従って、本研究課題では、当初の計画通り末梢血液に焦点をあてて、最終年度に症例をより選定して、当初の目標達成を行う予定。臨床検体にか関しては、次年度以降バイオバンクの活用が出来るように倫理審査の再申請を行っている。治療前のウイルス量の高いHIV-1感染者サンプルを用いて、高精細HIV-1トランスクリプトーム解析を行う予定にしている。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況により、前年度残額を0にするより次年度に繰り越した方が、効率的と考えたため。
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Research Products
(12 results)