2018 Fiscal Year Research-status Report
人工関節術後遷延痛モデルの確立と酸感知機構を標的とした治療法の開発
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17K09034
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池内 昌彦 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00372730)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | *術後遷延痛 / 人工関節 / 酸感知機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット膝関節に設置する人工関節を作成した。当初、臨床で使用されているシリコン製人工指関節を設置予定であったが、サイズがあわないため断念し独自に人工関節を作成することにした。既存の金属性スクリューや特注のセラミックの試作品を作成し、ラット膝関節に設置した。人工関節置換術後に歩行可能な状況を確認するに至ったが、X線検査を行うと脱臼している例が少なくないことが判明した。その後、脱臼を予防する目的で、脛骨側だけの関節表面を置換する人工関節を作成した。この人工関節は、脱臼はしないものの大腿骨側を設置した人工関節で破壊してしまうことが判明し使用不能であった。膝関節の人工関節置換が困難であるため、関節構造がよりシンプルな股関節の人工関節を作成することに方針を変更した。試作品をいくつか設置して、人工関節設置後に脱臼がなく歩行可能にすることができるようになった。 現在、トレッドミルを走らせ術後経時的に歩行距離が伸びることや、疼痛行動評価で術後急性痛の改善に10日以上を要することなどを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
*当初は初年度に人工関節術後遷延痛モデルを作成し、2年目には本モデルにおける末梢神経および脊髄レベルでの酸感知機構の機能を検討する予定であった。予想以上にラットに設置する人工関節の作成に時間を要したため、当初の予定よりも遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
*ラットに設置可能な人工関節の作成には成功したため、今後は疼痛行動の評価や末梢神経および脊髄レベルでの酸感知機構の機能に関する研究へ速やかに移れる予定である。研究スタッフも増やして本研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
* 動物の行動評価に用いる機器や各種の試薬は、人工関節設置モデルに対して検討する研究で用いるもののため、これまでは不要であった。次年度、疼痛行動の評価や末梢神経および脊髄レベルでの酸感知機構の機能に関する研究において使用する予定である。
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