2018 Fiscal Year Research-status Report
The function of mast cell-derived mediators in visceral hypersensitivity
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17K09037
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宮井 和政 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (60283933)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内臓感覚 / 膀胱 / 直腸 / ヒスタミン受容体 / アデノシン三リン酸 / グルコース |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒスタミン投与が伸展刺激に応じた膀胱および直腸上皮からのATP分泌に与える作用についてさらにデータを蓄積し、前年度の結果(膀胱上皮からのATP分泌を抑制、直腸上皮からのATP分泌を促進)を再確認した。 次に血流減少によって生じると考えられるグルコースの欠如が、膀胱及び直腸上皮からのATP分泌にどのような影響を与えるかを検討した。グルコース欠如条件では、グルコース存在条件と比較して、伸展刺激を加えた場合でも加えなかった場合でも、膀胱及び直腸からのATP分泌を抑制する傾向が認められた。これは、ATP分泌にもエネルギーを必要とするステップが存在すること、あるいはグルコース代謝により生じる細胞内のATP量が減少した結果であることを示唆すると考えられる。また、この結果はヒスタミンの作用とは直腸で一致していないことから、グルコース欠如とヒスタミンシグナル経路には直接の関連はないと推察される。 最後に、膀胱および直腸壁からのヒスタミン分泌量の定量を試みた。グルコースおよび伸展刺激の有無で条件分けし、ヒスタミンデヒドロゲナーゼと発色物質テトラゾリウム塩を用いた定量法により測定したが、この定量法ではどの条件下でもヒスタミンを検出できなかった。ヒスタミンは分泌されていたとしても非常に低濃度であるか、粘膜側からは管腔内に放出されずに組織内に留まっていることが示唆された。ヒスタミンの定量に関しては解析方法(刺激条件の変更や組織内ヒスタミン量の測定など)を改善する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒスタミン分泌量は現在の実験条件では検出限界以下であったため、有意義なデータを得ることはできなかったが、静水圧刺激に応じたATP分泌に対するヒスタミンの作用に加えて、グルコース欠如がATP分泌量に与える影響についてはデータが蓄積しており、研究全体としてはほぼ順調に推移していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
グルコース欠如による膀胱および直腸上皮からのATP分泌量の変化をさらに解析するとともに、血流減少によって生じると考えられる酸素の減少が与える作用についても解析を試みる。また、血流増加を引き起こす自発運動の影響についても、本年度末に購入したランニングホイールを用いて解析を試みる予定である。 ヒスタミン分泌量の解析については、本年度の解析方法では検出限界以下であったため、まずはヒスタミン受容体の阻害薬の効果を検討することで、様々な条件下で引き起こされるATP分泌量の変化に内在性のヒスタミンが作用しているのかどうかを明らかにする。内在性のヒスタミンが作用している条件を決定できれば、同条件で管腔内および組織内のヒスタミン量の測定を試みる。
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Causes of Carryover |
ヒスタミン分泌量の測定が検出限界以下であったため、ヒスタミン分泌量測定キットの購入に見込んでいた予算が若干余り、次年度に繰り越した。次年度に繰り越した分はATP測定キットやヒスタミン受容体の作動薬および阻害薬、マウスの購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)