2017 Fiscal Year Research-status Report
PET画像再構成アルゴリズムがフラクタル次元へ与える影響についての研究
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17K09066
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
前田 幸人 香川大学, 医学部附属病院, 技術職員 (10763336)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PET / フラクタル解析 / ピクセルカウンティング法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳PET検査において、画像再構成アルゴリズムがフラクタル次元に与える影響を明らかにすることである。平成29年度は腫瘍を模擬したファントムを使用し、基礎的な検討を行った。 C-11 メチオニン PETを想定し、腫瘍を模擬したファントム(腫瘍ファントム)を用いて、4つの画像再構成アルゴリズムordered subsets expectation maximization (OSEM) 法、OSEM法にpoint spread function (PSF) 分解能補正のみを組み込んだ方法(OSEM+PSF法)、OSEM法にtime of flight (TOF) のみを組み込んだ方法(OSEM+TOF法)、OSEM法にPSF分解能補正とTOFを組み込んだ方法(OSEM+PSF+TOF法)について、繰り返し数とサブセットの関係、平滑化処理フィルターの強度がフラクタル次元に与える影響を調査した。実験は、①腫瘍ファントムの腫瘍模擬インサートにF-18 FDG溶液を満たしバックグラウンド部には水を満たした場合と②腫瘍模擬インサート部とバックグラウンド部の放射能濃度比が3:1となるように腫瘍ファントムを調整した場合の2種類について行った。再構成アルゴリズム、繰り返し数とサブセットの積、平滑化フィルターの強度によりフラクタル次元の値は変化した。また腫瘍模擬インサート周辺のバックグラウンドの放射能の有無によって、フラクタル次元の変化の傾向は異なった。本ファントム実験の結果から、再構成アルゴリズムおよび再構成条件によって、フラクタル次元は変化することが予想された。本結果は臨床データを解析するにあたって、重要な知見となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は人体模擬ファントムを用いて,再構成アルゴリズムおよび画像再構成条件がフラクタル次元に与える影響を調査することを目的とした.具体的には,6つの再構成アルゴリズムと再構成条件,関心領域の設定について調査する予定であったが,4つの再構成アルゴリズム(OSEM法,OSEM+PSF法,OSEM+TOF法,OSEM+PSF+TOF法)および再構成条件(画像の更新回数,ガウシャンフィルターの強度)の変化がフラクタル次元に与える影響を調査するにとどまった.フラクタル解析においては関心領域の設定がフラクタル次元に大きく影響することが考えられるため,関心領域の設定がフラクタル次元に与える影響を調査する必要があったが解析を行うことができなかった.解析ができなかった理由は,本解析において使用したソフトウエアの取り扱いに苦慮したため,解析に使用する時間が足りなかったことが大きな要因であると考えている.しかしながら,関心領域設定についてのデータはすでに取得しており,データ解析を行い結果を整理することができれば報告可能であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度のデータ解析結果は,Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging(SNMMI)2018(米国)で報告予定となっている.平成30年度の予定はファントム解析とともに臨床データの解析を行う.すでに臨床データを解析可能な状態に整理することをはじめており,研究計画どおりに進めることが可能と考えている.
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Causes of Carryover |
旅費及び物品費が予定よりも低価格であったため,次年度使用額としました.使用計画としては,物品費やその他の経費として使用する予定です.
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Research Products
(2 results)