2017 Fiscal Year Research-status Report
ライフコースゲノム研究:健康推進と疾患予防に役立つゲノム情報活用に向けて
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17K09081
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
村松 正明 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50230008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではゲノム情報を個人の健康増進のために有効に使うための方法を検討することを一つの目的として進めている。医療者による遺伝子検査結果回付を適切に行う事により、疾患に対する理解が深まり、主体的に疾患の発症・進展をコントロールできるいうポジティブな意識変化が起こり得るという予備研究の成果を論文にて報告した。またこれらの内容は「パーソナルゲノム:健康・病気そして環境との関わり」で文京区の市民公開講座で発表した(2018.2.23、資料:http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/muramatsu2.pdf) さらにレアバリアントの結果の回付の準備を進める目的で、それを行う意義があると考えられるアクショナブルな遺伝子変異を論文・データベース等から調査を行った。アメリカ遺伝医療学会(ACMG)59遺伝子の他にもClinVar、OMIM等から抽出し、百以上の遺伝子および疾患バリアントを検索し得た。 一方、老人性疾患のリスク遺伝子をJG-SNP剖検例を用いてエクソームチップの解析を継続している。新たにコモンバリアントに関してはCAPG遺伝子Arg335His遺伝子多型が老人の癌と関連していることを明らかにした。またレアバリアントでアルツハイマー病や癌などの多因子疾患と関連のあると考えられる候補遺伝子・バリアントを検出しつつある。これらはレアバリアントであるのでオッヅ比は高く、コモンディジーズ・レアバリアント説を裏付ける事例になると考えられる。ただしアリル頻度が低い為に検出力は弱く、結果を確定させるにはより大きなサンプルサイズが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子解析結果を回付するアクショナブルなレアバリアントの文献からの抽出は進んでおり、エクソームチップの中で解析されているレアバリアントと表現形質の対応に関する検討も順調に進んでいる。今後より大きなサンプルサイズを持つグループとの共同研究を考えた方が良いかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
予備試験の結果、より規模の大きい試験が必要であることが明らかになったので、その準備を進める。エクソームチップ解析に関しては、今後レアバリアントが解析の中心になってくることを鑑み、サンプルの追加収集あるいはた研究施設との共同研究等を検討する。
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