2017 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧患者の家庭血圧が生活習慣や認知機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
17K09087
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 潔 九州大学, 医学研究院, 教授 (70285469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家庭血圧 / 高齢者 / 高血圧症 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度であり、当初の計画通り、まずデータセットの作成を行った。その上で、登録時の患者背景の概要を検討した。外来通院中の高血圧患者673名を登録した。このうち、同意撤回者などを除く661名(男321名、女340名;平均年齢70.8歳)を解析対象とし、データセットを作成した。 全解析対象者中532名(80.5%)が65歳以上、119名(18.0%)が80歳以上と、高齢者が多い集団だった。646名(97.7%)が降圧薬を内服し、平均の診察室血圧は131.6±0.6/70.8±0.4 mmHg、平均の使用降圧薬剤数は2.2剤であった。65歳以上では未満に比し、収縮期血圧は有意に高値(132.4±0.7 vs 128.5±1.2 mmHg、p<0.01)であり、拡張期血圧は有意に低値(69.6±0.4 vs 75.8±0.9、p<0.001)であった。一方、家庭血圧の朝の平均値は、132.9±0.5/78.2±0.3 mmHg、夜の平均値は、127.1±0.5/73.1±0.3 mmHgであった。朝の家庭血圧測定値を使用した場合の白衣高血圧は69名(10.4%)に、仮面高血圧は187名(28.3%)に認めた。MMSEの平均は28.2±0.1であった。 本研究対象者は、高齢者が多数を占めるものの血圧のコントロールは概ね良好であった。しかし、家庭血圧と診察室血圧に乖離を認める例を約4割に認めた。
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