2017 Fiscal Year Research-status Report
Screening and surveillance for colorectal neoplasm
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17K09094
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
小俣 富美雄 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 副医長 (70233616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸腫瘍 / 大腸内視鏡 / 大腸癌 / スクリーニング / サベイランス |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年5月に米国のシカゴで行われた米国消化器病週間において、健診施設で2回以上大腸内視鏡検査を受けた2347症例における、大腸内視鏡検査後の大腸腺腫の累積罹患率及びその危険因子に関して発表した。本研究により、初回の大腸内視鏡時の大腸腺腫の存在、年齢、男性、現在の喫煙が10年間における異時性大腸腺腫の発生の危険因子であることが明らかになった。しかしながら、軽度の肥満(BMI 25以上)、一親等の大腸癌の家族歴に関しては、有意な危険因子ということはできなかった。。 また、2017年10月に米国のオーランドで行われた米国消化器病学会において、第二世代のNarrow band imaging (NBI)の大腸内視鏡時の腺腫検出率の向上に関する効果に関して発表した。第一世代のNBIの腺腫検出力に関しては、 2014年に「腺腫検出率を改善しない」ことを、Scand J Gastroenterol誌に発表済であるが、第二世代のNBI は、第一世代に比較して、視野が明るく、腺腫検出率の改善が期待されて開発された。その後、2016年までに第二世代のNBIを用いた無作為コントロール研究は3つ報告されていて、こちらの研究結果を利用して、メタ解析をおこなった。予想した結果に反して、第二世代のNBIは第一世代と同様に、大腸腺腫に関する検出能を有意に増加させる、ということはできなかった。また、第一世代のNBIに関しても、その後に発表された論文18を含んだメタ解析を行ったが、腺腫検出率を向上させる効果は確認できなかった。 上記の二つの発表に関しては、研究のアウトカムを大腸腺腫とした。今後は、大腸癌、あるいは、大腸癌により近い病態である進行腺腫をアウトカムとして解析できるようにデータファイルの作成を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
取り立てた問題もなく、予定通り進んでいる。以上。
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Strategy for Future Research Activity |
第一段階として、2004年から2009年のデータファイルの作成を行い、5年間の経過観察期間における、大腸進行腺腫の累積罹患率、及びその危険因子を明らかにする。その後は、データファイルの作成を2015年まで延長して、10年間の経過観察期間において、同様の検討を行う。また、2011年に論文発表(Eur J Gastroenterol Hepatol 2011; 23: 1036-41)した免疫学的便潜血反応を用いた大腸腫瘍性疾患の診断に関して、別のコホートを用いて妥当性を確認する。その上で、大腸内視鏡、便潜血反応、CTコロノグラフィーなどの方法をどのようなタイミングと間隔で用いるのが費用対効果に優れるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度の残額は次年度の人件費、ソフトウエアの購入に使用の予定。
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Research Products
(2 results)