2019 Fiscal Year Research-status Report
ヘリコバクター・ピロリ除菌の成否と患者のライフスタイル及び体質の関連の解明
Project/Area Number |
17K09105
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾関 佳代子 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (70780625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
古田 隆久 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10303546)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ピロリ菌除菌 / 飲酒習慣 / 飲酒回数 / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃がん、胃潰瘍の原因とされるヘリコバクター・ピロリの除菌率を上げることは予防の観点からも最重要事項の1つである。しかし、患者の体質や健康状態、飲酒を含めた患者のライフスタイル等と除菌との関連は解明に至っていない。本研究ではピロリ菌1次除菌薬を服用した患者の除菌の成否と飲酒習慣、飲酒嗜好等を含めた患者ライフスタイル、患者の体質等の属性との関連を検証することを目的として行っている。 現在までの進捗状況として今までに蓄積した患者の過去データを用いてピロリ菌除菌失敗と患者属性の関連の内、患者の飲酒習慣を暴露として、除菌の成否との関連の解析を行った。この結果を2019年10月に論文として発表している。内容はピロリ菌 1次除菌薬を求めて薬局を訪れた患者を男女に分け、飲酒の有無また 1週間の飲酒回数を調査し、除菌の成否との関連の分析を行い、その結果、男性は除菌の成否と飲酒に関連はなかったが女性は飲酒ありの患者が除菌されづらく、また回数が多いほどその傾向は強いことが明らかとなったというものである。 また2020年2月には日本疫学会学術総会において、ピロリ除菌を2回以上失敗している患者で生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は同等量飲酒している一般国民の割合に比較して、有意に高く、過剰な飲酒は健康への悪影響のみならず、ピロリ菌除菌にも影響を及ぼすことが明らかとなったことを発表した。 現在、さらに血液検査等に関し新規データを収集中であるが、未だ必要サンプル数には至っていないため、もうしばらく時間を掛けて、蓄積し、その後、さらに解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ピロリ菌除菌患者数の蓄積不足でデータ収集が順調ではない。しかしなから、過去データ及びその後今まで蓄積してきたデータ等を用いることで論文発表や学会発表等の成果を着実に残している。
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Strategy for Future Research Activity |
血液検査データに関しては、浜松医科大学に来院するピロリ菌除菌患者で血液検査を実施し今後も医大よりデータを蓄積していく。 患者の飲酒習慣と除菌の成否を論文にて発表を行ったが、今後さらに患者の体質(アレルギー等)や血液検査の結果等との関連を探索していく。
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Causes of Carryover |
血液検査データ等の取得が十分でないため引き続きデータ蓄積のためのデータが必要である。論文の校正、投稿費用、また国内国際学会等での発表費用等として使用する。
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Research Products
(3 results)