2019 Fiscal Year Annual Research Report
Social epidemiological research on social inequalities in health among women
Project/Area Number |
17K09109
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
本庄 かおり 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60448032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
野田 愛 (池田愛) 順天堂大学, 医学部, 特任准教授 (10616121)
仙田 幸子 東北学院大学, 教養学部, 教授 (90316696)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康格差 / ジェンダー / 社会疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
性別役割分業規範(男は外で働き、女は家事・育児)の強い日本社会において、仕事と家庭生活との両立を求められている女性の仕事や家庭生活に関連する要因(介護の有無、家庭と仕事の葛藤、子育ての有無など)の健康影響が大きいことが示唆されている。また、世帯形態の多様化がすすみ、女性の独居あるいはひとり親世帯の増加とその相対的に高い貧困率から、世帯の状況(世帯構造・世帯収入等)により仕事や家庭生活の要因の健康影響が異なることが推察される。そこで、本研究では女性における仕事や家庭生活ならびに世帯状況といった社会的要因の健康への影響メカニズムの解明を目的とし研究を実施した。 最終年度である今年度はそれぞれの研究結果を国内外学会ならびに英文雑誌等で発表し、研究プロジェクトの総括を行った。次世代多目的コホート研究データを用いて、家庭や仕事に関する要因(家庭と仕事の対立と雇用形態)と主観的健康感の関連を検討し、その結果を英文誌で発表した。また、地理的剥奪指標と総死亡リスクの関連が食事の質によって縮小される可能性について分析し英文誌に発表した。また、国民生活基礎調査のデータを用い、家庭における役割と主観的健康感、精神健康、健康行動の関連について国内外の学会で発表した。今後、国際誌で発表する予定である。また、利用手続きが完了した人口動態統計調査データを用いて、母親の職業と出生後1年時までの子の死亡の関連を検討し、国内学会で報告した。 以上により、女性において家庭や仕事に係わる要因は年齢を問わず、さまざまな健康影響が把握され、その関連は世帯の状況によって異なることを把握した。今後の女性の健康に関する公衆衛生対策において家庭や仕事に関する要因や世帯状況に留意したアプローチが必要であることを示唆したといえる。
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Research Products
(9 results)