2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における日常の健康サインから超早期に軽度認知障害の予兆をつかめるか?
Project/Area Number |
17K09111
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
天野 宏紀 鳥取大学, 医学部, 講師 (80293033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 克哉 鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50161790)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 軽度認知障害(MCI) / 高齢者 / 主観的健康感 / 日中の過度の眠気 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者における日常の健康サイン(主観的健康感及び日中の過度の眠気(EDS))が軽度認知障害(MCI)の超早期の予測因子として簡便な評価指標である主観的健康感及びEDSを用いることの有効性を検証するため、ベースライン調査から2年後の追跡調査を実施した。令和2年1月から令和2年10月に、ベースライン調査と同様の内容(「物忘れ相談プログラム」(日本光電工業)による認知機能スクリーニング、日本語版エプワース眠気尺度(JESS)によるEDSの測定、主観的健康感を含む日常・社会生活状況調査)で行った。 ベースライン調査に参加した研究対象者158名(鳥取県A町の65歳以上の介護予防サークル参加者)のうち、2年後の追跡調査を受けたのは113名(74.7±7.7歳、男23名、女90名)であった(追跡率73.9%)。 2年後追跡群でベースライン調査時の認知機能スクリーニングによる認知機能正常者は89名で、2年後に認知機能正常を維持していた者は79名(72.6±7.2歳)、MCIとなった者は10名(78.0±7.2歳)であった(MCI移行率11.2%)。MCIに移行した10名のうち、ベースライン調査時にEDSを有している者(JESSの得点が11点以上の者)はいなかったが、1年後追跡調査時には2名(認知機能は正常)がEDSを有していた。ベースライン調査時にEDSを有していた者は113名中4名で、うち3名がベースライン調査時すでにMCIであった。MCIに移行した10名の主観的健康感はベースライン調査時、2年後追跡調査時ともに肯定的で変化はなかった。MCIとなった者ではベースライン調査時から1年後追跡調査時へのJESS得点が大幅増加の者も観察されており、MCIの予測因子としてEDSを判定する質問項目に該当する数や日中の眠気の頻度が増えることも考慮するなど、さらに検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実施計画」に基づき、ベースライン調査に参加した研究対象者に対して、2年後の追跡調査として認知機能及び抑うつのスクリーニング、日本語版エプワース眠気尺度、主観的健康感を含む日常・社会生活状況調査を令和2年1月から令和2年3月に実施予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大防止(重症化のリスクがある高齢者が対象者)のため、令和2年3月実施予定であった一部の研究対象者(未実施の4サークル30名および調査日に都合が合わず、後日調査を受ける意思のある者)の調査を延期せざるを得なかった。その後、延期していた研究対象者について令和2年10月に調査を実施し、予定していたすべての調査を完了することができた。本研究で収集した疫学データのデータベース化は終えており、現在は解析を進めているところである。令和2年度はコロナ禍の影響もあり、予定していた学会発表ができなかったが、令和3年6月に開催予定の第10回日本認知症予防学会学術集会において、本研究の成果の一部を発表予定(演題抄録は登録済)である。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した疫学データの解析を現在進めているところである。研究成果の一部は令和3年6月に開催予定の第10回日本認知症予防学会学術集会において発表予定であるが、さらに解析を進めて、秋以降に開催予定の学会での成果発表を行う予定である。また、併せて研究成果の論文化も進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、参加を予定していた学会がオンライン開催となり、学会参加旅費として確保していた予算が執行できなかったことにより、結果として次年度に繰り越すことになった。新型コロナウイルス感染症の動向次第であるが、2018年、2019年と続けて本研究の成果を発表している学会の参加旅費として使用することを予定している。また、研究成果の論文投稿に必要な費用として使用する予定である。
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