2021 Fiscal Year Annual Research Report
Can daily health signs in the older adults predict very early signs of mild cognitive impairment?
Project/Area Number |
17K09111
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
天野 宏紀 鳥取大学, 医学部, 講師 (80293033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 克哉 鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50161790)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 軽度認知障害(MCI) / 高齢者 / 主観的健康感 / 日中の過度の眠気 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者における日常の健康サイン(主観的健康感及び日中の過度の眠気(EDS))が軽度認知障害(MCI)の超早期の予測因子として簡便な評価指標である主観的健康感及びEDSを用いることの有効性を検証するため、鳥取県A町の65歳以上の介護予防サークル参加者を対象にベースライン調査、1年後の追跡調査、2年後の追跡調査において、TDASによる認知機能スクリーニング、日本語版エプワース眠気尺度(JESS)によるEDSの測定、主観的健康感を含む日常・社会生活状況調査を実施した。 本研究対象者のEDSを有する者(JESS得点11点以上)が5名と少数のため、今年度はEDSを有しない者(JESS得点10点以下)を対象に解析を行った。ベースライン調査時の解析対象者146名中、EDSを有しない者は141名(認知機能正常110名、MCI31名)であった。ベースライン調査時のMCIと日常・社会生活状況調査項目との関連をカイ二乗検定により検討した。さらに、EDSに影響を及ぼすと考えられる睡眠状況に関する項目について、ベースライン調査時の認知機能状態とのクロス表により、MCIに影響を与えうる可能性のあるものがないか検討した。その結果、「年齢が75歳以上」「職業が農水林業」「教育歴が高い」「近所付き合いが低頻度」「学習教養サークル参加が年に数回以下」「外出頻度が週1回以下」がMCIとの有意な関連(p<0.05)を認めた。睡眠状況に関する項目に関しては、MCIと有意な関連を認めなかったが、睡眠への不満で「夜中に目が覚める」と回答した者の割合がMCI群で54.8%と過半数を占め、他の睡眠不満項目と比較して極めて高かった。さらに交絡の影響を考慮した解析を行う必要がある。研究期間全体では、MCIを予測する因子として、単にEDSの判定のみではなく、JESSの得点増加量の経時変化を用いることが有効である可能性が示唆された。
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