2018 Fiscal Year Research-status Report
飲酒関連癌の新規リスクマーカー:皮膚メラノーシスの検討(ベースライン調査)
Project/Area Number |
17K09115
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 講師 (10330979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 特任准教授 (10734064)
杠 岳文 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 院長 (60182672)
原 俊哉 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 常勤医師 (70274602)
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ALDH2 / メラノーシス / バイオマーカー / 飲酒 / ALDH2 polymorphism |
Outline of Annual Research Achievements |
ALDH2*2保有者は癌リスクが高く、飲酒量の制限が必要である。しかし、血清肝逸脱酵素値に依存した過量飲酒の警告は ALDH2*2保有者の場合不適切である。ALDH2*2 保有者むけ新規飲酒量マーカー( ≒ 癌リスクマーカー)として「皮膚メラノーシス」の有用性を検討するため、飲酒関連癌のコホート研究のベースライン調査を開始した。 これまでに20~81歳(平均42歳)の555名について、ALDH2遺伝子型判定を行い、分光測色計と計算ソフトで顔面と上肢の皮膚メラニン指数を計測した。メインアウトカムである皮膚メラニン沈着度には個人の皮膚色調を調整したメラニン指数の比(目的箇所:手掌部)を用いた。さらに年齢・直近6か月の平均飲酒量(0, 0-20, >20 g/day)・直近3年の喫煙の有無・日光曝露(0-27点)の調査を行った。女性対象者は飲酒量が少なく(中央値0.9 g/day)、とくにALDH2*2保有女性では一日あたり10gの飲酒者は5%に満たなかった。よって、ALDH2*2保有男性92名、ALDH2*1*1保有男性213名について解析を行った。全項目(年齢・性別・調査年・調査月・喫煙の有無・日光曝露スコア)を補正した重回帰分析の結果、ALDH2*2保有者において飲酒量と額部メラニン沈着度に正の関連が見られ(b = 0.065、p trend = 0.008)、ALDH2*1*1保有者では関連が見られなかった(b = 0.013、p = 0.502)。 また、本現象の機序を検討するため、動物実験を行った。モデル動物であるAldh2ノックアウトマウスを通常餌とエタノール入りボトル(0-20%)で飼育したところ、Aldh2ノックアウトマウスのみに容量依存的な色素沈着(足底部、陰部、尾など)が認められ、分析化学的検討により真メラニンが表皮と真皮に沈着していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象者のリクルートがやや遅れているため。一方、同時に行っているメカニズムの検討は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
調査補助員を雇い、対象者のリクルートを促進する。
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Causes of Carryover |
学会発表を共同発表者に依頼し、旅費がかからなかったため 参加者のリクルートが遅れたため 次年度は参加者のリクルートを促進する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Alcohol-induced skin pigmentation: a novel phenotype of ALDH2 gene variant2018
Author(s)
Akiko Matsumoto, Shosuke Ito, Toshiya Hara, Kazumasa Wakamatsu, Tamio Suzuki, Yuko Abe, Chisato Shimanoe, Takefumi Yuzuriha, Chikako Yoshimori, Takeo Muto, Kouichi Endo, Megumi Hara, Masayoshi Ichiba, Vasilis Vasiliou, Byoung-Joon Song, Mayumi Fujita
Organizer
Carbonyl2018
Int'l Joint Research
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