2019 Fiscal Year Research-status Report
アルコール代謝関連酵素活性別にみた飲酒と睡眠の質及び生理的変化に関する研究
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17K09120
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
齋藤 京子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20507389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杤久保 修 横浜市立大学, 医学研究科, 特任教授 (30046099)
山末 耕太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 特任講師 (50526366)
横山 徹爾 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (70282770)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠 / 飲酒 / ADH1B / ALDH2 |
Outline of Annual Research Achievements |
飲酒が睡眠時間や入眠時間、睡眠の質(深睡眠)に影響を与えている可能性は非常に高い。日本人を含む東洋人の多くが体質的にアルコール代謝能力に著しい個 体差があり、特にアルコール脱水素酵素1B(ADH1B、旧名ADH2)とアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)は遺伝子型によって活性が大きく異なるため、飲酒の睡眠へ の影響も異なる可能性がある。本研究では(1)アルコール代謝関連酵素活性別にみた飲酒と睡眠の質(パルセンスデータ及び質問票)との関係を明らかにし、 (2)アルコール代謝関連酵素活性の違いと飲酒後の睡眠時及び非睡眠時の生理的機能(心拍、血圧等)の変化を明らかにすることを目的としている。 調査対象者は、企業で働く20~70歳代の男性とし、調査対象者を募集した。説明会に参加してもらった者で調査の同意を得た者を調査対象者とし登録した。調査対象者から、食生活習慣調査(飲酒、睡眠、喫煙、運動、食習慣、ストレスチェック等)、アル コール代謝関連酵素活性遺伝子多型(ADH1B及びALDH2遺伝子)、アルコールパッチテスト、血流測定を行った。同時に健康診断のデータも一部いただいた。脈拍数・活動量(3軸加速度)を組み込んだライフスタイルを計量化する健康腕時計(EPSON:パルセンスSP500)を用いて、脈拍と加速度から、活動時、非活動時、睡眠の状態を計測した。2週間、健康腕時計を装着し、朝晩の血圧計測、行動日誌をつけてもらった。現在、87名の調査を行い、データ整理を行っている。ADH1B遺伝子多型の*1/*1(低活性型)は、9名、*1/*2(活性型)は28名、*2/*2(高活性型)は50名、ALDH2遺伝子多型の*1/*1(活性型)は52名、*1/*2(低活性型)は34名、*2/*2(非活性型)は1名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2017年10月横浜市立大学の倫理審査が通り、2018年1月から調査対象者を募集し、調査説明会を行っている。現在までに調査希望参加者約90名の男性に調査協力の説明会を行った。調査協力の得られた87名を調査対象者とした。対象者は20~70歳で、2週間、健康腕時計(EPSON:パルセンス)を装着してもらい、心拍、活動量、睡眠、エネルギー消費の データを得た。また2週間の朝晩の血圧測定及び行動日誌をつけてもらった。調査を行った者から健康診断のデータを頂いた(身体計測、血圧、生化学デー タ)。質問票による既往歴、生活習慣、飲酒量、喫煙歴、食事摂取状況や睡眠の質、ストレス度、アルコールフラッシング質問票等を用いた調査を行った。ADH1B 及びALDH2の遺伝子型の分析は口腔内を綿棒で擦りDNAの採取し解析を行った。一部対象者には、アルコールの血流反応を見るため、パッチテストを行い血流計による分析を行った。対象者に健康腕時計を2週間装着してもらっているが、途中で装着を辞めてしまう、装着を忘れている場合も多く、データがそろわないことも多々あることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで集められたデータを整理し、解析を始め、学会発表及び論文作成を行う予定である。また状況をみつつ一部データに関して若干対象者を増やす予定である。 対象者に各個人の睡眠や活動量、栄養調査の結果説明を行い、相談に応じる。
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Causes of Carryover |
調査時期が遅くなり、全体として計画に遅れが生じている。また研究対象者の人数が、募集より少ない。そのため当年度の必要経費が余り、次年度の調査実施時(データ整理、人件費、遺伝子解析、パルセンス、血圧計、印刷、投稿料など)に使うことにした。
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