2019 Fiscal Year Annual Research Report
A cohort study of community characteristics and children's social skills acquisition in suicide rare/high suicide areas
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17K09123
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
岡 檀 統計数理研究所, 医療健康データ科学研究センター, 特任准教授 (10649247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 哲郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (00221135)
山内 慶太 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (60255552)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自殺予防因子 / 子ども / コホートスタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年から開始したコホートスタディ「未来を生き抜く力、見つけたい―子どもの心の健康と生きる力、環境に関する調査」を実施した。2019年度は三つの自治体において、小学校5年生、中学1年生、その保護者たち、そして高校1年生と2年生が参加した。「統計的思考」を有する子ども、すなわち、物事を俯瞰して全体像を偏り無くとらえ、より多様な指標によって対象の評価を行なった上で判断する思考パターンを有する子どもはそうでない子どもに比べ、様々な状況に対処する社会スキルを身に着けていると考えられた。 将来に中1ギャップ状態(中学進学後の新たな学習環境や人間関係になじめず、不安や緊張を感じ、不登校になったりする現象)に陥りやすい危険因子を特定し予測できるよう、小学生時点での調査を遡及的に検討したところ、統計的な有意差は示されていないものの留意すべき点として、小学5年生時点で気分の落ちこみや不安を感じていたこと、「統計的思考」を有していないことが考えられた。 「統計的思考」を有する子どもは自己肯定感・自己信頼感を介して精神的平衡を維持できている可能性が示唆された。また、「統計的思考」は読解力とも関係があるという新たな知見を得るに至ったが、さらなる検証を要する。 併せて、調査に参加した保護者らのデータから、プライバシー意識についての分析を行った。行動様式や思考傾向との関係について分析したところ、プライバシーの開示に抵抗が強い者ほど、人の目を気にかけ、他者を信頼できず、助けを求めることにためらいがあるという傾向が示された。こうした保護者の態度が子どもにどのような影響をあたえるか、その解明は今後の課題である。 調査結果をまとめた冊子と、個人結果シートを、参加者全員へ送付した。また、これらの結果をふまえて、保護者、教育者、自治体の福祉担当者らとの意見交換を各地で行った。
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Research Products
(8 results)