2022 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological Study of Innovative Allergy Prevention Methods Using Premastication During Infancy
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17K09124
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
久保 良美 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00792988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 豊 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00647571) [Withdrawn]
三木田 直哉 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60405462)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
金澤 伸雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90343227)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 噛み与え / 唾液接触 / 乳児期 / アレルギー性鼻炎 / 口腔衛生知識 / 妊娠期ストレス / アレルギー予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究成果を世界的に公表するため「乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症」の論文を英文で執筆し、Journal of Allergy and Clinical Immunology: Globalに投稿した。2023年3月21日に受理され、英文のタイトル「Saliva Contact During Infancy and Allergy Development in School-Age Children」で、2023年4月11日より、オンライン上でIn Press として公開され、2023年4月25日より、最終版が公開されている。本研究では、石川県と栃木県の小中学生3380名とその保護者を対象として、乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー疾患(湿疹、アレルギー性鼻炎、喘息)の発症に関連がないか、統計学的に解析をした。その結果、乳児期に食器の共有を介する唾液接触があった群では、学齢期の湿疹(アトピー性皮膚炎)の発症リスクが有意に低下した。また、乳児期に親の唾液で洗浄されたおしゃぶりの使用を介した唾液接触があった群では、学齢期の湿疹(アトピー性皮膚炎)とアレルギー性鼻炎の発症リスクが有意に低下した。これらの結果から、乳児期の唾液接触(食器の共用と親の唾液で洗浄したおしゃぶりの使用)が学齢期のアレルギー発症を低下させる可能性があることが、アジアで初めて示された。日本では、口腔衛生知識が普及し、またコロナ禍で乳児期に唾液接触する機会が減少しており、今回の疫学調査により得られたデータと分析結果は大変貴重であり、更なる研究により、小児アレルギー予防に繋がる可能性がある。研究期間全体を通じて実施した研究の成果では、乳児期の唾液接触である「噛み与え」とアレルギー発症リスクの解析の結果、小児アレルギー予防に繋がる可能性のある有意義な知見を得た。
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