2020 Fiscal Year Annual Research Report
Validation of DPC data for identifying stroke cases in a large-scale cohort study
Project/Area Number |
17K09126
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
丹野 高三 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (20327026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / コホート研究 / 脳血管疾患 / レセプト情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では岩手県北部・沿岸地域で実施されている健診受診者26,469人を対象とした岩手県北地域コホート(県北コホート)研究を基盤として、レセプトデータによる脳卒中判定の妥当性を検証し、レセプトデータによるアウトカム把握を大規模コホート研究に適用することの妥当性を明らかにすることを目的とする。 研究対象地域は岩手県北部・沿岸の二戸、久慈、宮古の3保健医療圏である。追跡調査として、2002~2017年度まで生死・転出情報、死因情報、要介護認定情報、及び、岩手県地域脳卒中登録事業及び岩手県北・沿岸心疾患発症登録協議会の登録データとの照合による脳卒中及び心疾患の発症情報を追跡してきた。 2020年度は対象地域内の脳卒中診療病院の協力を得て、県北コホート研究参加者のうち、2009年7月から2014年12月までに当該病院に入院した患者2,025人を対象として、前年度に作成したDPCレセプトデータによる脳卒中症例の抽出アルゴリズムを用いて脳卒中症例を抽出した。既に県北コホート研究で確認されている脳卒中症例をゴールドスタンダードとして感度、特異度、陽性反応的中度(PPV)及びκ係数を計算した。また人年法を用いた脳卒中罹患率(千人年対)を計算した。結果、感度、特異度、PPV及びκ係数はそれぞれ、全脳卒中では0.79、0.995、0.97、0.85、脳梗塞では0.74、0.995、0.94、0.82、出血性脳卒中では0.87、1.00、1.00、0.93であった。罹患率はゴールドスタンダードでは全脳卒中12.0、脳梗塞7.8、出血性脳卒中4.2であった。一方、DPCレセプト抽出例ではそれぞれ9.8、6.1、3.6であった。本研究ではコホート研究における脳卒中症例の同定にDPCレセプトデータが有用である可能性を示した。一方、罹患率のような絶対リスクは過小評価される可能性も示唆された。
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Research Products
(5 results)